アルバム制作進捗状況

5月末からLOSTAGEのライブがない。これだけの期間ライブを全くやらないのは今の3人編成にメンバーが変わった時ぶりじゃなかろうか。新体制で活動を続けていくために必死でアルバムを作っていたように思う。2009年秋〜2010年春の期間、もうすぐ10年経つ。あの頃に比べたら今はそんなに必死でアルバムを作っている感じはしない。いいのか悪いのかはわからないが、あの頃とは音楽やバンドに対する考え方も随分変わった。

やり続けないといけない理由も義務もない。見当たらない、思い浮かばない。それでもまたこうやってアルバムを作ろうとするのは、まだもっといい音楽を作ることが出来るというなんの根拠のない自信があるからだ。過去の自分を超えていく、挑戦する気持ちだけ。生き甲斐といってもいいかもしれない。世間の評価とか世の中の流行とかそういったものとは無関係のもの、とはいえ何からも全く無関係の点で成立する存在も意味もありえない。無関係という関係、距離感。個に向かうエネルギーみたいなものをテーマにした内容になって欲しいなと漠然と思っている。

自分で書いていてもほとんど意味がわからないが、言葉にしようとするとそういうことなのだと思う。別に難しいことを言いたいわけではない、なんとなくそういうフィーリングで作業している。説明出来ないものが音楽になってどこかへ飛んでいけばいい。

先週もベーシスト堀を加えた4人と録音エンジニア/PAのKCくんとで集まって収録予定曲のアレンジを詰めていた。スタジオ作業は和気藹々としていたし、集まってああだこうだと言っている時間は楽しい。それぞれにある程度の経験もスキルもあり、安心して一緒に作業出来る。恵まれている。

少しづつアルバム全体のイメージや収録候補曲が形になってきたので、録音日程なども皆でアイデアを出し合って決める。今回は、前作もそうだったが、年内に収録曲の半分を録音しその後ダビングやミックス作業に取り掛かり、年が開けてからそれと並行して後半のレコーディング作業に取り掛かる予定。前半の録音予定曲を選びながら今は歌詞を書いている。

同時進行でアルバム発売に伴うツアーの段取りと、CD/レコードのジャケットのイメージ作りや打ち合わせなど。少しづつだが、目的に近づいていっている。いよいよ始まった実感が湧いてきたところだ。

メンバーといる時間、演奏をしている時間、楽器を触っている時間、全てが制作の一部であり、同じように1人でいる時間や店で働いている時間も制作の一部だ。日々の暮らし、とても個人的なことや自分にしかわからないようなことを音楽や、もっといえば世界の大きな流れの中に置いていく。道で通り過ぎるどこの誰とも知らない人の顔や、そこらへんに転がってる石ころと同じだ。あってもなくてもいい。なくなっていても誰も気づかないようなものでも、それがきっとこの世界に奥行きを生む。

 

今回のアルバム制作にベースで参加してくれている堀のやっているAYNIW TEPOが先日彼らのアルバムリリースのツアーファイナルのライブ映像を公開した。


AYNIW TEPO (アイニウ テポ) - "Regal Song" Live at Pangea

 

バンドの形態は全然違うし、俺達と同じで奴もものすごいバカだが、音楽は最高。制作もライブも楽しみだ。

 

 

BGM : Bryony Jarman-Pinto / Cage And Aviary

最近レコード買ってよく聴いてる、とても丁寧に作られていて何度聴いても飽きないし、小さな音で鳴っていてもリラックスして聴けていい。

 

 

 

増子くん

ここ何日かの奈良、日中ゲリラ豪雨のような突然の大雨が続いている。昨日もそうだった。

日の沈む少し前くらいの時間、急に土砂降りの雨になった。そのせいかTHROAT RECORDSは来客なし。ええ!これは雨のせいなのか!!このまま開けてても誰も来なさそうだしもう閉めたろかな、そう思って店の前に雨の様子を伺いに出たら、たまたまそのタイミングで同郷奈良Age Factoryのドラマー増子くんがそこに通りかかった。どこかに出かけた帰りだったようだ。最近、増子くんとよく道で会う、すれ違う。路上。

ストリートファッションとかストリートミュージックとかいうものがある。いや、あるようだ。多分東京とか大都市の話だろう。この街の路上にそんなものはない。どこから来たのかわからないが大量の観光客と暇そうなヤンキーと鹿がいるだけだ。憧れのストリートカルチャー。俺が路上で会うのは近所の店の人か自治会長か増子くんくらいしかいない。自治会長は相変わらず何を言っているのかわからないし、増子くんは酷い雨の中ズボンをグショグショに濡らしていた。

そういえば最近公開されたAge Factoryの新曲、ゲリラ豪雨みたいだったな。

youtu.be

世代的なものもあると思うけど、この辺の音の感触がする。時代は回っているのだ。


Refused - New Noise HD


PJ Harvey - Dress - HD Live (V Festival 2003)

 

 

誰か雨宿りしにでも入ってこないかなとか思いながら誰も来ない店で1人でいる時間は結構好きだ、ただ雨降りは客足に悪影響なので困る。

 

 Age Factory増子の日記

http://shiromachi15.hatenablog.com/

 

再結成

特別何か嫌なことがあったわけでもなく、またその逆にいいことがあったわけでもなく、酒を飲んで酔っ払いながら昨夜書いた自分のTwitterのことを思い返している。よくあるやつだ。自分が真夜中に書き込むSNSは大体そんなのばかりで、人並みにウンザリしてきてはいる。日常。

バンドの再結成のこととか。再結成っていつ聞いても心がザワザワする、なんでだ。

想像してみる、自分のバンドが再結成するところを。もしその時が来たら自分はどんな気持ちになるだろうか、経験のないものは想像するのが難しい。再結成の前には必ず解散がある。生まれてこなかったものは死ねない、必ずある。それ故その更に前、必ずあるのが結成だ。猿でもわかる。

バンドの結成、あの時自分はどんな気持ちでいただろう。思い出してみる。メンバーに声をかけ、好きな音楽やこれからやりたいことなんかの展望を話しあったりする。多分、なんとなく、いつの間にか、忘れていた気持ちだ。これは幸い自分にも経験がある。ぼんやりと思い出す。恥ずかしくて、楽しくて、不安で、嬉しくて、とか。色々混ざっていたっけな。どこかこそばゆい気持ちになるのは、今もまだ自分がその時に見た未来の景色の中にいるからで、区切ることが出来れば消え去っていくただの思い出なのかもしれない。

解散、する予定は今のところない。終わりを選択しなければいけない理由?なんでもいい、毎日そこらじゅうに理由なんか転がっている。深刻なものから他愛のないもの。想像してみる。悲しくて涙を流したりするんだろうか、それとも何かから解放されて清々しい気持ちになったりするのか。日々の暮らしの中で出会うたくさんの終わり。人生っちゃそういうもん、まだ40年かそこらしか生きていないがそんくらいのことはわかる。

その時々に抱く悲しさや寂しさの感情からはずっと逃げられない。もちろんそれだけの生命活動じゃない、喜怒哀楽のスパイスを振りかけて毎日飯を食い糞をして暮らしている。そうしてずっと歩いたり走ったりしてきたら、ある日突然追いつかれ、そして追い越されてしまったような。タイムトラベル!みたいなそんな感じ。

ここまで書いてはみたが、この気持ち整理出来そうもない。そのための経験も時間も自分にはない。その前に他にやることがあった。新曲を作れ、そして歌詞を書け俺。メンバーが待っている。

 昨日は日曜日なのに店の来客がほとんどなく死ぬほど暇だった。多分みんなナンバーガールのライブに行ってたんだろうな、人類は。

 誰も来ない店でガーディアンズオブギャラクシーを観た。ガーディアンズの仲間達が結束するシーン、アライグマのロケットの台詞「お前らといると気持ちがクサクサする! 」そう言いながら草むらを蹴っていた。クサクサってどういう感情だ?わからないが俺も草むら蹴りたい。

 

こってり

昨夜、仕事が終わってから天一のラーメンが食べたくなり近鉄奈良駅の近くにある天下一品東向店に行ってみたところ盆であるからか営業が早めに終了していた。

ラーメンの口になっていたのでその足で近くの王将へ、連れがコッテリラーメンを注文していたので少しもらって食べたところ、これじゃないんだよな感がすごかった。天一のラーメンはやはりラーメンではない何か別のジャンルの食べ物だ、進化したラーメン。無性に食べたくなる時があるのは何か中毒性のある物質があのスープに含まれているのかもしれない。[ 天一 スープ レシピ ]とかで検索するとあのスープに似たものを作ろうとしている人達の試行錯誤がわかる。

王将が悪いわけではない、天一が食べたかっただけだ。今日の昼はスタジオでLOSTAGE作業後にリベンジ、天下一品東向店でスープライスセットを食べた。

今もまだ胃が少しもたれているが、満足している。

 

 

BGM : Sleater Kinney / Can I Go On

新しいアルバムがもう出るっぽい、St.Vincentがプロデュースしてるそうだ。先に出たこの曲だけ聴いてるが自分の好きなSleater Kinneyの音とちょっと違うかもしれない。アルバム買ってみないとわからないが。豪華盤の方のレコードにしようか通常盤にしようか迷っている。

 

 

猛暑日

毎日、暑い。異常な暑さだ。

 

自分が子供の頃、こんなに暑かっただろうか。環境問題だ、地球温暖化だとニュースなんかでみてもいまいち実感がなかったが、こう暑いと不安になってくる。人間、勝手なもので自分が直接関わることになると急に焦りだしたりする。エアコンが無いと人が死ぬような環境、危険である。来年のオリンピックで死ぬ人とかいそうで怖い。

 

奈良では今[燈花会]というイベントを奈良公園あたりでやっている。

http://www.toukae.jp/

たくさんのロウソクの火が専用の容器に入れられて並べられ、幻想的な空間が演出されるやつだ。始まったのが99年とかなので昔からやっている伝統行事とかではないが、毎年たくさんの人がやってくる。開催地の方から店はそんなに近いわけではないが少しは来客数に影響があるかもしれない。と思って毎年店にいるが、あまり関係ないようだ。とにかく暑すぎて来客は今日も少なかった。

 

酷寒の2月と猛暑の8月の客商売は難しい、というようなことをよく聞く。暇なのは困るが、正直に言うとこの暑さの中無理して店に足を運んでもらうよりは自然の中で涼を取ったり、自宅でゆっくりしておいてもらった方がいいと思う。

 

もう少し涼しくなったら、ご来店お待ちしております。

 

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暇だったので店の前で燈花会風の何か。ロウソクの火はいい、落ち着く。

 

 

BGM : Goldie / Timeless

ドラムンベースとか当時は全く聴いてなかったが店に中古のレコードがあったので大き目の音で聴いていた。今聴くと逆にバイアス無しで聴けてカッコイイ気がする。当時の名作なんか今聴きなおしてもいいかもしれない。

フジロックのRopes

先週の木曜の夜に車で奈良を出発、新潟県湯沢町苗場スキー場へ。フジロックに行ってきた、2012年に出演した以来なので7年ぶり。結構最近のような気がしてるけど、7年も経っていた。その間フジロックとは無縁の生活を送っていたということだ、光陰矢の如しとか言ってる場合じゃない。

対談の連載でもお世話になっている関西ぴあのハジムこと高橋一を大阪でピックアップして2人で苗場へ向かう。車で約8時間、時を経たからなのか記憶している苗場の距離感とズレまくっていた。遠い。めっちゃ遠い。2人で運転を交代しながら真夜中の高速道路。途中FLAKE RECORDSのDAWAさんチームとも合流、代わり映えのしない面子だ。飽きが半分、安心感が半分。そういや7年前も同じような顔ぶれでフジロック出演を楽しんだような。記憶も曖昧になっている。

朝方に会場到着、リストバンド引き換えまで時間があるので駐車場に車を停めて仮眠。クソ暑かった、汗だくだ。その後Ropesチームと合流して演奏前の集合時間や場所を確認し、ホテルにチェックイン。

今回フジロックに来ることになったのは自分のやっているTHROAT RECORDSからリリースのあるRopesのライブにゲストで参加するため。1曲だけyumeという曲でベースとコーラス参加させてもらった。正直その1曲のために出演者パスまで用意してもらって(アーティストの規模にもよるのかもしれないが、発行できるスタッフパスやゲストパスには枚数制限がある)なんか申し訳ないような気持ちもあった。フジロックって人気あるしな。出演が決まっただけでも相当興奮したが、ぜひ来て一緒にと誘ってもらった時はやっぱ嬉しかった。アチさんトディありがとうございます。

出演は夕方の木道亭だったので一旦荷物と機材をホテルに入れてから少し休んで会場内を偵察、7年前の記憶が蘇ってくる。オアシスエリアで飲みながら3日間のタイムテーブルをチェックして観たいアーティストをリストアップ。かなりの数の出演者なので観たいものを全部観るのは不可能だがそのチョイスを考えるのも楽しい、フェスの醍醐味か。あまり行ったことがないのでわからないが、とにかくせっかく参加することになったので隅々まで楽しんでやろうという意気込み(ゴアテックスのマウンテンブーツもこの日のために買った)。実際、久しぶりのフジロックはずっと楽しかった。

フジが特別なのかどうかは他のフェスを全部知ってるわけじゃないので比べられないが、参加しているお客さんや出演者の人達の話なんか聞いてると特別な何かがあるような気がする。会場の雰囲気や出演者ラインナップなんかからもそれが滲んでいる、気持ちのいい場所だなと改めて思った。

レッドマーキーでやっていたSABRINA CLAUDIOのライブを少し観た後、集合時間が近づいてきたのでライブ前の準備をして移動。ホテルから会場が離れているのでハイエースで送迎してもらう。この感じも独特で面白い。移動中の車内でメンバーとyumeのコード進行・曲の構成の確認。1曲だけの参加なので逆にいつものライブより緊張感が増していたかもしれない。

木道亭に到着、セッティングして自分の出番まではRopesのライブをお客さんと一緒に楽しんだ。木漏れ日と森の空気が最高で、全ての音が大自然に吸い込まれていくような本当に気持ちのいい時間だった。(一箇所間違えたが笑)自分の演奏とコーラスも悪くなかったと思う。終演後はRopesの2人もサポートの高橋君も、PAのKC君もスタッフの皆もいい顔をしていた。

自分の店や家で何度も繰り返し聴いたレコードの曲達が、あんなに美しく素晴らしい場所で聴けることになるとは一緒にそれを作っている時には思ってもいなかった。心の底から良かったなと思った、いろんな想いや思いが報われた気がする。

終演後、機材を片付けて送迎ハイエースにてホテルまで。車から機材を下ろしていると運転してくれていたスタッフの方が出演者の方にとよく冷えた缶ビールをくれた。1曲しかステージに立っていなかった俺の分の缶ビールも手渡され、「最高か」と1人呟いた。心の中で。飲み放題のケータリングよりも美味いもてなしの酒がある。

メンバーと乾杯して部屋に一旦戻り、夜まで会場内のライブを楽しんだ。前日からの移動でほとんど寝ていなかったので早めに就寝。泥のように眠った。

夢のような1日。

 

 

 

 

 

 

 

 

製作中アルバム進捗状況

午前中からスタジオ作業、メンバー3人。

今回のアルバムはベースをAYNIW TEPO堀に任せているのでスタジオで楽器の演奏は今の所アコースティックギターしか弾いていない。弾き語りとバンドの間くらいの温度感でやっている。

20年近くベースでバンドをやってきてこのタイミングで弾くのをやめるっていうのもなかなか思い切ったなと思うが、そもそも最初から楽器はなんでもよく、バンドのメンバーとして音楽活動に参加出来ればそれでよかった。何か新しいことをやりたいという気持ちがあるのであれば、やるべきだろう。

周りからLOSTAGEに求められていることとか音っていうのがあるのかもしれないし、そのために自分がやるべきことが何なのかを考えることももちろん大事だと思う。ただ、それよりももっと大事なのは自分が何をやりたいのかということだ。やりたくないことを、わざわざやってもやらなくてもいいバンド活動や音楽活動でやる必要はない。

ベースもギターもバンドをやるための道具の一つで、自分に関しては演奏する楽器はなんでもいいと思っている。語弊があるかもしれない。どうでもいいわけではなく、なんの楽器でもやってみたいという気持ちは変わらないというだけだ。

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ベースに比べてギターは弦が細いので、指先が痛い。少し変形してきたような気がする。もう少し練習を重ねれば指先もギター仕様に硬化してくるのだろうか。

 

スタジオ作業終了後、店に出勤。買取依頼のあった中古レコードの査定と検盤。JAZZ多め、自分の欲しかったレコードなんかも混ざっていたのでゆっくり聴く。

 

THROAT RECORDSオンラインショップの注文もあったので発送作業など。売り切れていた商品などを追加で作ったので、興味があれば是非。新しく作った今回のキャップはなかなか好みの形で気に入っている。

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 http://throatrecords.ocnk.net/

 

店で仕事しながらLOSTAGEスタジオのラフ録音を聴き直したが、なかなかいい感じのアルバムになりそうな気配がしてきた。

音楽を作ったり、グッズを作ったり、中古レコードを買い取ったりと、ごちゃごちゃした1日だった。自分が何者なのか、たまによくわからなくなる。ミュージシャンか、レコード屋か、イラストレーターか。

 

別になんでもいい、やりたいことをやる。

 

 

 

BGM : Sofia Bolt / Waves