フジロックのRopes

先週の木曜の夜に車で奈良を出発、新潟県湯沢町苗場スキー場へ。フジロックに行ってきた、2012年に出演した以来なので7年ぶり。結構最近のような気がしてるけど、7年も経っていた。その間フジロックとは無縁の生活を送っていたということだ、光陰矢の如しとか言ってる場合じゃない。

対談の連載でもお世話になっている関西ぴあのハジムこと高橋一を大阪でピックアップして2人で苗場へ向かう。車で約8時間、時を経たからなのか記憶している苗場の距離感とズレまくっていた。遠い。めっちゃ遠い。2人で運転を交代しながら真夜中の高速道路。途中FLAKE RECORDSのDAWAさんチームとも合流、代わり映えのしない面子だ。飽きが半分、安心感が半分。そういや7年前も同じような顔ぶれでフジロック出演を楽しんだような。記憶も曖昧になっている。

朝方に会場到着、リストバンド引き換えまで時間があるので駐車場に車を停めて仮眠。クソ暑かった、汗だくだ。その後Ropesチームと合流して演奏前の集合時間や場所を確認し、ホテルにチェックイン。

今回フジロックに来ることになったのは自分のやっているTHROAT RECORDSからリリースのあるRopesのライブにゲストで参加するため。1曲だけyumeという曲でベースとコーラス参加させてもらった。正直その1曲のために出演者パスまで用意してもらって(アーティストの規模にもよるのかもしれないが、発行できるスタッフパスやゲストパスには枚数制限がある)なんか申し訳ないような気持ちもあった。フジロックって人気あるしな。出演が決まっただけでも相当興奮したが、ぜひ来て一緒にと誘ってもらった時はやっぱ嬉しかった。アチさんトディありがとうございます。

出演は夕方の木道亭だったので一旦荷物と機材をホテルに入れてから少し休んで会場内を偵察、7年前の記憶が蘇ってくる。オアシスエリアで飲みながら3日間のタイムテーブルをチェックして観たいアーティストをリストアップ。かなりの数の出演者なので観たいものを全部観るのは不可能だがそのチョイスを考えるのも楽しい、フェスの醍醐味か。あまり行ったことがないのでわからないが、とにかくせっかく参加することになったので隅々まで楽しんでやろうという意気込み(ゴアテックスのマウンテンブーツもこの日のために買った)。実際、久しぶりのフジロックはずっと楽しかった。

フジが特別なのかどうかは他のフェスを全部知ってるわけじゃないので比べられないが、参加しているお客さんや出演者の人達の話なんか聞いてると特別な何かがあるような気がする。会場の雰囲気や出演者ラインナップなんかからもそれが滲んでいる、気持ちのいい場所だなと改めて思った。

レッドマーキーでやっていたSABRINA CLAUDIOのライブを少し観た後、集合時間が近づいてきたのでライブ前の準備をして移動。ホテルから会場が離れているのでハイエースで送迎してもらう。この感じも独特で面白い。移動中の車内でメンバーとyumeのコード進行・曲の構成の確認。1曲だけの参加なので逆にいつものライブより緊張感が増していたかもしれない。

木道亭に到着、セッティングして自分の出番まではRopesのライブをお客さんと一緒に楽しんだ。木漏れ日と森の空気が最高で、全ての音が大自然に吸い込まれていくような本当に気持ちのいい時間だった。(一箇所間違えたが笑)自分の演奏とコーラスも悪くなかったと思う。終演後はRopesの2人もサポートの高橋君も、PAのKC君もスタッフの皆もいい顔をしていた。

自分の店や家で何度も繰り返し聴いたレコードの曲達が、あんなに美しく素晴らしい場所で聴けることになるとは一緒にそれを作っている時には思ってもいなかった。心の底から良かったなと思った、いろんな想いや思いが報われた気がする。

終演後、機材を片付けて送迎ハイエースにてホテルまで。車から機材を下ろしていると運転してくれていたスタッフの方が出演者の方にとよく冷えた缶ビールをくれた。1曲しかステージに立っていなかった俺の分の缶ビールも手渡され、「最高か」と1人呟いた。心の中で。飲み放題のケータリングよりも美味いもてなしの酒がある。

メンバーと乾杯して部屋に一旦戻り、夜まで会場内のライブを楽しんだ。前日からの移動でほとんど寝ていなかったので早めに就寝。泥のように眠った。

夢のような1日。