HARVEST (CD&VINYL)

久々の日記更新。

 

ライブがなかったらなかったで他に色々とやることがあり、意外に思われるかもしれないが忙しく毎日を過ごしている。このご時世、ありがたい話だ。


元々は5月4日の奈良NEVERLANDで開催されるはずだったリリースイベントで発売予定にしていたLOSTAGEの新しいアルバム、HARVESTのCDとレコードが先日やっと自分の店に納品された。

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THC-013 LOSTAGE / HARVEST (CD) 2,600yen (TAX IN)

コロナウィルス感染拡大の影響を受けてツアーが丸ごと延期になった今回のリリース。諸々の段取りを終え、約5ヶ月スライドする形でようやく製品版として手元に届いたわけで、良くも悪くも記憶に深く刻まれる作品になった。作り手側としても難航した製作過程を経た分思い入れも一入である。

応急処置、というわけではなかったがBandcampでデータ先行販売(〜10/3配信終了予定)を行っていたのでいつもと勝手が違い、純粋な販売開始と呼べるものではないのかもしれないが、やはり手に触れられる物として目の前に存在しているのはまた違った喜びがある。

 

いつ再開出来るか今の所まだわからないリリースツアーに先駆けて、今回10月3日に我々の地元奈良NEVERLANDにて開催されるプレリリースイベント"TESTPRESS #1"の会場から販売開始予定。CDは税込2600円、レコードは税込3000円でアナログの方は初回500枚が180g重量盤仕様になっている。

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THR-017 LOSTAGE / HARVEST (LP) 3,000yen (TAX IN) 180g Heavy Vinyl

おかげさまでイベントの予約メールは即定員が埋まり、現状キャンセル待ちまで受けさせてもらっている。素直に喜べない気持ちもあるが、こんな状況でも会場に足を運ぼうと思ってもらえただけで本当にありがたく、感謝しかない。イベントの予約は埋まっているが、当日会場前で15時頃からCD/レコードの販売だけの対応もさせてもらうつもりなので近隣で気になっている方はチェックしてもらえればありがたい。

 

一般発売、といってもTHROAT RECORDS店頭(10月4日〜)とオンラインショップ(予約受付開始10月4日〜発送10月18日〜)、LOSTAGEのライブ会場(これから解禁になっていくであろう今後のライブ予定)のみでの取り扱い予定。興味がある方はぜひ手にとっていただければと思う。

今回のCD/レコードの販売方法も前作"In Dreams"の流れを踏襲し、より密な届け方を目指すことにした。前作リリースから約2年半が経ち、当然その分の時の流れの中で世の中は変わった。同じことをやり続けることに迷いがなかったわけではないが、結局時流と関係のないところで自分のやりたいことや身の丈にあった方法を考えていたらこれ以外のやり方を思いつかなかったという感じだ。全国流通、メジャーデビュー、チャートへのランクインや各種メディアの評価などに全く興味がないわけではないが、それ自体は目的ではない。自分のケツを自分で拭かないといけないプレッシャー以外は、ほぼストレス無くやれている現状とその先に微かに見える希望の光だけあれば、今はそれでいい。

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我々と同じ奈良を拠点に活動する仏師/彫刻家の浅村朋伸さんに製作してもらったジャケットの木製髑髏。以前ブログにも書いたかもしれないが去年の夏頃に自分の地元奈良県桜井市の材木屋に2人で選別しに行った時の木材の髑髏以外の残りの部分(上写真左)がここにある。

切断時に出た楠の木屑を袋に小分にして、奈良県内(NEVERLANDライブ会場・THROAT RECORDS店頭)でアルバム購入者にオマケで付けようかなと思っている。よくわからない木屑を小袋に詰め分けている作業ははたから見たら怪しいこと極まりない。今ここで職務質問を受ければしばらく留置所に入れられてもおかしくない怪しさである。自分でも何をやっているのかよくわからない。

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要らない人からすればゴミでしかない。

CDやレコードは音楽の容れ物としての役目を終え、同じように要らない人からすればゴミのようなものだろうか。かつて時代の最先端であった各種フォーマットも今や無用の長物、片手に収まるスマートフォンの中には皆が膨大な音楽ライブラリーを所有する時代である。

それでもこんな世の中だ。その街の空気やそこでしか感じることの出来ない何か、もしかしたらこれから先この世界から消え去ってしまうかもしれない何か。記憶の扉をノックし、思い出を迎えにいくのにいつかアルバムHARVESTの欠片が役に立つ時がくるかもしれない。

 

 

https://lostage.co/

https://throatrecords.tumblr.com/

https://throatrecords.ocnk.net/

 

 

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LOSTAGE NEW ALBUM "HARVEST" 

 

2020.10.03 ON SALE

 

FORMAT : CD / LP 180g Heavy Vinyl

CD 2600 YEN (TAX IN) / LP 3000 YEN (TAX IN)

CD THROAT RECORDS (THC-013) / LP THROAT RECORDS (THR-017)

 

PHOTO : Kuniyoshi Taikou 

SCULPTURE : Tomonobu Asamura

 

THROAT/ACOUSTIC GUITAR : Takahisa Gomi

ELECTRIC GUITAR/CHORUS : Takuto Gomi

DRUMS : Tomokazu Iwaki

 

BASS/PERCUSSION/CHORUS : Kazuya Hori (AYNIW TEPO)

PIANO/KEYBOARD : Koichi

CHORUS : Achico (Ropes)

 

RECORDING&MIXING&MASTERING : Keishiro Iwatani

 

収録曲

CD

1.かぎろひ 2.パルス 3.独楽 4.髑髏 5.Les Misérables 6.MESSAGE 7.HARVEST 8.グレイアイドフィッシュ 9.残像

LP

SIDE●1.かぎろひ 2.パルス 3.独楽 4.髑髏 5.Les Misérables

SIDE●●1.MESSAGE 2.HARVEST 3.グレイアイドフィッシュ 4.残像



 

近況報告とイベント告知

かなり久しぶりの日記更新、正直いろいろなことに全然やる気が起きなくなってしまっていた。仕事やプライベート、日々の予定を細かく書き込んでいた愛用のスケジュール帳にはもう何ヶ月も触っていない。先の予定が決まっていないと、こうも生活に張りがなくなるものかと改めて実感している。

 

コロナ禍、感染者数の増減やそれに伴った政府施策のニュースなど。毎日毎日同じようなアナウンスが繰り返されていると、こんな言い方はよくないのかもしれないが、もう飽きてしまっている。日常が未曾有の出来事に侵食されていく、まるでSF映画のような暮らしにも人間は容易く慣れてしまう。決定的な解決策も見つからず、収束の目処も全く立たず。コロナ疲れ、みたいな言葉も聞くようになった。みんなただただ疲れている。

LOSTAGEは週に2度入っていたスタジオの時間や月に何度かあったライブの予定がなくなって、メンバーはそれぞれの仕事(レコード屋、飲食店、スタジオ・ライブハウス)に専念するのが日常になった。

 

ライブハウスNEVERLANDの支援グッズ販売を企画したのが4月、有料配信のワンマンライブをやってみたのが5月、このままライブをせずにただ待っていても状況は良くならないとメンバーや関係者と相談し、当日告知で会場に集まる人の数を絞ったゲリライベントをやり始めたのが6月。事態の収束を見越して少しずつ動き出そうとしていたこの5ヶ月、状況は良くなっただろうか、むしろ悪くなってはいないだろうか。その時々の状況と自分に出来ることを照らし合わせながら活動してきたつもりではいるが、どこか気持ちや行動が空回っていると感じる部分もあった。正解も不正解もない、すっきりとしないモヤモヤがあるだけだ。

 

そしてそのモヤモヤした気持ちを抱えたまま、今回告知するイベントを開催することが決定した。これがウィズコロナの時代か、とんでもない時代だ。諦めるという選択肢以外、全ての項目にチェックを入れる。

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自粛期間中にも趣味のオーディオに傾けた情熱をそのまま自分達のライブイベントに組み込んで普段のライブと少し趣向を変えた内容になっている。

もともと5月にリリース予定だったLOSTAGEの最新アルバム"HARVEST"のリスニングとトークイベントにそのアルバムのライブ実演をプラスした二部構成ワンマン企画。この日に合わせて"HARVEST"のレコードとCDのリリースも準備している。その場で聴いてその場で買ってもらう、キッチン用品やトレーニング器具の実演販売みたいなものか。

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今回レコードやデータ音源試聴に使用するスピーカー musikelectronic geithain RL901K / ミキサー・プリアンプ Urei model 1620 / プレーヤー THORENS 160 SUPERなど

 

このイベントに向けてレコーディングスタジオなどで使われることの多い業務用のモニタースピーカーやビンテージ機材などを準備した。ライブでの実演はもちろん、アルバム制作の裏話や曲解説にライブでの使用機材や今作のテーマなど普段メンバーと関係者が揃い時間をかけてあまり話す機会のない内容のトークセッション、それに加えて試聴用のシステムを一式持ち込んだ我々が今届けられる最高の音響での音源再生体験。新作アルバム"HARVEST"とロックバンド"LOSTAGE"をいろんな角度から楽しんでもらえるイベントになればと思っている。

 

着席50人限定でチケット代は普段の倍以上の6500円になっているが、それだけの価値がある時間を作れるようメンバースタッフ一同準備中。ありがたいことに昨日のネバーランドでのゲリラライブイベントからフライヤーで告知開始させてもらったが既に定員半数近く予約をいただいているようで、もし興味がある方は早めにチェックして頂ければと思う。このイベントがうまくいけばバンドと機材一式をそのまま持ち込んで別の会場での開催も検討中、イベントの事後経過などもケアしながら慎重に丁寧にこの企画を育てていこう。

 

何度も言うが、正解も不正解もなくすっきりとしないモヤモヤがある。ただそれはコロナ禍の今に始まったことではなく、今までもそしてこれからも続いていく。今を精一杯生き、その時やれることをやるだけだ。

 

http://nara-neverland.com/pc/schedule_detail.php?s=00002976

 

 

THROAT RECORDS presents

“TESTPRESS #01”

 

日時 - 2020.10.03 土曜日

会場 - 奈良NEVERLAND

開場 - 17:30

開演 - 18:00

料金 - 6500/1ドリンク代込み(当日受付にてお支払いください)

座席 - 50人限定/着席(イベント中の屋内/外への出入自由)

チケット予約 - http://nara-neverland.com のイベントページ内にて

 

 

 

当日のタイムテーブル、イベント内容について

 

17:30 開場

 

18:00~ 試聴用の機材一式を持ち込みLOSTAGEの新作アルバムHARVESTレコード・CDその他アルバム製作時に使われた音源パラデータなどを使った試聴会、LOSTAGEメンバーとベース堀一也(AYNIW TEPO) 、キーボード・ピアノKoichi MIZUKAMIサウンドエンジニア岩谷啓士郎による楽曲解説や制作秘話などトークを織り交ぜたアルバムリスニングイベント。

 

19:3020:00 休憩、場内換気と消毒

 

20:00 21:20 LOSTAGEメンバーとベース堀一也(AYNIW TEPO) 、キーボード・ピアノKoichi MIZUKAMIサウンドエンジニア岩谷啓士郎によるLOSTAGEの新作アルバムHARVESTのライブ演奏。

 

イベントのタイムテーブルは多少の前後も考えられます、予めご了承ください。

 

 

 

 

注意事項

 

・今回のイベントはメールにてチケット予約制となっております。

・予約は http://nara-neverland.com のイベントページ内にて。自動返信で予約完了メールが届きますので、ドメイン指定でnaraneverland@yahoo.co.jpからの受信を可能にしておいてください。

・完了メールが届かない場合は naraneverland@yahoo.co.jp もしくは0742-36-2431までお問い合わせをお願いします。

・人数上限に達した時点で予約は終了とさせていただきます。キャンセルの場合は当日開演までに必ずご連絡ください。

また、キャンセルの場合(直前・当日も含む)のキャンセル料金や、以後のイベントの予約に関わるペナルティが発生することはありません。

・個人情報に関しましては、新型コロナウイルス感染者が来場者の中に確認された場合のみ、保健所と連携をとるために使用させていただきます。予めご了承ください。

・当日は入場時マスクの着用と入場時・会場内で手指の消毒の徹底、ご協力をお願いします。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響でイベント自体の延期もしくは中止の可能性もございます、予めご了承ください。

 

その他感染症対策については当日スタッフの案内と会場ポスターなど別紙詳細をご確認ください。

 

 

お問い合わせ

 

NEVERLAND 0742-36-2431

THROAT RECORDS 0742-23-4700

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブハウスのこと MUSIC UNITES AGAINST COVID-19

2020年4月19日、日曜日。

今日が日曜だという曜日感覚もそろそろなくなってきて、なんとなく起きて飯を食ったら店に出勤する日々。家族と過ごす時間が今までより増えたのはよかったが、何をやっていても頭と心はスッキリしない。

先日、地元奈良NEVERLANDの運営サポートのために用意したベネフィットTシャツのオンライン注文、ありがたいことに沢山の方から頂いて受注と発送準備で忙しくさせてもらっている。注文にメッセージを添えてくれる方もいて、読んでいるとそれだけで胸が熱くなってくる。NEVERLANDも我々LOSTAGEもものすごく応援されている。これで得たお金がいくらになったとしても、それが千円でも百万円でも、そこに宿る気持ちは同じだ。それを無駄にしないように、今後のNEVERLANDとその周りの音楽に活かせるようにしたい。

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WORK & LIFE T-SHIRT for NEVERLAND

https://throatrecords.ocnk.net/

 

 

そして毎日流れてくるドネーションや支援の募集に疲れてきたのも事実、緊急事態宣言が出てからは自分もどこかサポート出来ればと毎日何か一つ選んで購入するようにしているが、増加する感染者数に反比例して心がどんどんと痩せ細っていくのがわかる。運動不足で体重は日に日に増えているのに、割に合わないものだ。ドネーション、ベネフィット、クラウドファンド、支援に寄付。こんなことで何かの足しになるのか、焼け石に水なんじゃないのか。今月の閉店が1ヶ月2ヶ月先に伸びているだけじゃないのか。ネガティブな感情が湧き上がってくる、長引く自粛生活で気持ちのコントロールが出来なくなってきたのかもしれない。

いつまで耐えればいいのかわからず、行政の補償も頼りにならない、負の感情が少しずつ積み上げられていく。これではだめだ、このままではだめだと思いながら、どうすることも出来ない。

音楽。これしか出来ないというプライドと、これしか出来ないという言い訳が頭の中でずっとグルグル回っている。弱音を吐いている場合ではないが、それが今の正直な気持ちだ。これから先のことが誰にも何もわからないのだから。

ただ、諦めないということだけを、毎日手探りで確認しながら生きている。

 

今月頭にtoeの山㟢さんから連絡があり誘ってもらった、日本国内のライブハウス支援企画。賛同者から寄付を募り、そのお礼に参加バンド・ミュージシャンの楽曲をダウンロードしてもらって楽しんでもらう。我々LOSTAGEは去年3月に十三FANDANGOで開催されたLOSTAGEの7日間企画、7日目ワンマンから"窓"のライブ音源を提供させてもらった。

500円〜10000円の好きな金額でデジタルチケットを購入し、期間内は無制限でダウンロード出来る。さっき自分でもPCから購入してアクセスしてみたがdropboxを使って簡単に出来た、全音源ファイルをダウンロードして1GBくらい72曲となかなかのボリュームなので、自宅でゆっくり楽しんでもらえたらと思う。

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MUSIC UNITES AGAINST COVID-19

https://savelivehouse.com/

 

 

何かを選ぶということは同時に何かを選ばないということだ。PCの画面を覗き込んで買い物をしている時にふと思う。

リストアップされたライブハウス、参加ミュージシャン・バンドの面々。素晴らしい主旨の企画、素晴らしい内容。そして今ここにたまたま並んだ名前と同じく素晴らしい音楽、ライブハウスやクラブ、ミュージシャン、バンド、他にも色々な場所や人がいる。何処も誰も皆同じだ、皆苦しんでいる、自分にはそう見える。この国の、だけではない世界中の音楽、表現、場所や文化が悲鳴をあげている。

この企画で集まったお金で救われる場所や人がいることを願い、そしてこの企画が人に手を差し伸べようと思う誰かのきっかけになればと切に願う。自分が大事にしている場所や人達のこと、今までよりも少し気にしてみて欲しい。お金じゃなくても、今すぐじゃなくても、そのことを覚えておいていて欲しい。

 

この企画に誘ってもらったのをきっかけに、去年の十三FANDANGO7DAYS最終日のライブ音源を聴き直していた。両耳から伝わってくる熱量はまさしくライブハウスそのもので、またいつかきっとこの場所に帰るんだと思うと目の奥が熱くなった。今までよりもタフになって、この場所に必ず帰る。

 

MUSIC UNITES AGAINST COVID-19に提供させてもらった"窓"以外のあの日のライブ音源もエンジニアの岩谷KC啓士郎氏がまとめてMIXしてくれたので、bandcampの方で自由にダウンロード、視聴出来るようにしておいた。演奏ミスもMCもノーカットでオープニングから最後のアンコールまで入れてある。我らが愛しのライブハウスに思いを馳せながら、楽しんでもらえれば幸いだ。この状況で出来る約束は限られているが、皆無事で、必ずまたここで会おう。

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7 - Live at Juso FANDANGO - 

https://lostage.bandcamp.com/

 

 

 

奈良NEVERLANDのこと

朝起きて、最近はネットで情報収集する時間も増えたななどと思いながら、SNSをチェックしていたら星野源の動画のことでえらい騒ぎになっていた。

未曾有の事態で日々の暮らしが脅かされ、人々の不安が日に日に大きくなっている。仕事を休みたくても休めない人達がいて、働きたくても働けない人達もいる。その同じ国で暮らす国民の代表安倍晋三内閣総理大臣スマホの画面の中、自宅で寛ぎながらコーヒーを飲んだり犬を撫でたりしている。その隣でコロナ禍の間に今日明日の生活にどうにか彩りをとアイデアを出し合った様々な業種の人達にコラボレーションされ、何度も見かけた星野源がギターを爪弾き歌っている。どのような意図があって作られた映像なのかはわからないが、頭の中で何かが死んだような感覚になりしばらく動けなくなってしまった。あれを見て「総理が言うなら今日は家いようかな」「自粛で協力」とか思う人はいるのだろうか。多分いるのだろう、だから今こんなことになっているわけだ。

 早くからコロナウイルス感染拡大の影響で自粛要請があり現在も日々ダメージを受け続けているエンターテイメント・音楽産業のいまやアイコンと言ってもいい星野源、動画拡散のきっかけは彼の粋な計らいだったであろう。それに関して邪推はしたくない。そこへ補償もしない責任も負わないとリーダーシップの欠片もない現政権代表がいきなり土足で上がり込んできてのコラボレーションである。コラボというかもはや意図的な追突事故だ。音楽業界に手を差し伸べる気はないが、自分達の好感度を上げるためには利用する。あまりにもやり方が汚い。

そして同じタイムラインに札幌のライブハウスCOLONY閉店のお知らせが並ぶ。コロナの影響で閉店する場所はこれから増えていくのだろう、もう始まっている。行政からの補償を待っている時間はない。

 

昨日はLOSTAGEメンバーと月のほとんどを休業中のNEVERLANDへ、スタッフの皆とミーティング。LOSTAGEで何かNEVERLANDのサポートになることが出来ないか相談しに行ってきた。皆であれこれと話し合ったが、画期的なアイデアがそう簡単に出てくるはずもなく、ただ何もしないわけにもいかず。

何にせよ先立つ物はお金である、休業の間の店舗家賃もその間働くに働けないスタッフの生活費も必要だ。月並みなアイデアではあるがLOSTAGE/THROAT RECORDS/Kore Kara/NEVERLANDの名を借りてTシャツを作りそれを販売させてもらうことにした。

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わかる人にはわかると思うがLOSTAGEメンバーの職場がプリントされたこちらのTシャツ2種類。ドラムの岩城はあまり自分のことを話すタイプではないので知らない人も多いと思うがライブハウスNEVERLANDで働くスタッフでもある。仕事と生活、そして我々の音楽はダイレクトに繋がっている。LOSTAGEの活動拠点にNEVERLANDが無ければ今の我々は在り得なかったし、自分は高校の卒業ライブの頃から世話になっている。あの場所が無ければ今の自分には何もない。

このTシャツにNEVERLANDで使えるドリンクチケット回数券(3杯分)をセットにして4200円で販売させてもらうことにした。受注生産で一回目の受付期間締め切りは2020年4月末日、その後発送は物流の様子もみながら5月10日以降を予定している。それ以外にもLOSTAGEとして或いは個人的にもサポートできることはやっていくつもりだ。

在庫管理と発送作業を円滑に進めるためにTHROAT RECORDSのオンラインショップにて受注生産で販売させてもらった後、その時々の状況を見ながら店頭での販売も展開させてもらおうと思う。売り上げは必要経費を引いてNEVERLANDに運営資金として寄付、金額については後日このブログにて報告させてもらう。

 

https://throatrecords.ocnk.net/

 

NEVERLANDもライブハウス発信でオンラインショップを立ち上げ、今日からオリジナルグッズなど受注を開始したとのことなのでそちらもチェックしてもらえるとありがたい。

 

https://lhneverland.thebase.in/

 

 

 

今後、稼働していないライブハウスの空き日程を利用して出来ることや新しい仕事のやり方なんかも、NEVERLANDスタッフや地元の仲間と協力して長いスパンで一緒に作っていけたらと思っているので、あれも買ってくれこれも買ってくれと図々しい頼みごとばかりで申し訳ないが、ご支援ご協力のほど何卒よろしくお願い致します。


LOSTAGE / NEVERLAND

LOSTAGE / HARVEST

この音楽を必要とする人がどこかにいるならば、こんな状況だからこそ出来れば早く届けたい。

思い立ったが吉日、LOSTAGEの新しいアルバムをBandcampで配信販売することにした。先ほどレコーディングエンジニアの岩谷啓士郎氏からマスタリングの工程を経て送られてきたばかりの、まだ湯気の出る出来立ての音源である。

 

https://lostage.bandcamp.com/

 

2020年4月、史上最悪のタイミングで我々LOSTAGEの新しいアルバムは完成することになった。

 

2001年に地元奈良で結成してから20年近くが経ち、通算8作目のフルアルバム(ミニアルバム、その他コンピレーションやライブアルバム除く)になる、タイトルは"HARVEST"、収穫という意味だ。こんなタイミングで一体何が収穫出来るというのか。この未曾有の状況の中、自分でつけたアルバムタイトルに突っ込みたくもなる。

先日リリースの目処がやっと立ち、様子を見ながらインフォメーションを開始したばかりだったが、事態は思ったよりも悪く世界を席巻するコロナウィルスの感染拡大は止まることを知らない。心配してはいたものの、1ヶ月前は時間が経てばそのうち収束するだろうとまだ楽観的に考えていた。日に日に追い込まれていく現場からの声や感染者数増加のニュースを毎日毎日SNSで眺めていると、どんどん気が滅入ってくる。

 自分の営む中古レコードショップ兼レーベル事務所のTHROAT RECORDSは先月末に4月いっぱいの営業停止を決めて、現在は自宅にいるか営業していない店の中で何かしらの作業する日々。閉められたシャッターの内側には、今までに感じたことのない澱んだ空気が充満してきている。

 この1ヶ月の間にも色々なことがあった、コロナの影響をもろに受けたエンターテイメント業界への補償を求める署名運動があったり、スーパーマーケットから特定の商品が買い占められ姿を消したり、ライブハウスから無観客での動画配信が始まったり。自粛で営業を停止する店が増え、その間にも感染者数はどんどんと増え、政府のまるで頓珍漢な記者会見が繰り返され、それを憂い落胆する声は日に日に大きくなっている。

自分が今いるのが音楽業界、エンターテイメント業界のどの辺りなのか正直よくわからない。もしかしたら属してすらいないかもしれないが、そのくらい自由に気ままにやってきたなと思う。そんな我々でさえ3月4月のライブが次々とキャンセルになり、ついさっきニュースで見た現象がすごい早さで直接的に自分の生活に跳ね返ってきている。

世界の変化するスピードが早過ぎて、それについていくことが難しいのだ。どうすればいいかわからない毎日。人を集めてそこで作った曲を演奏するという、当たり前だと思っていたその行為。私達の音楽活動。今までの当たり前が当たり前で無くなっていく、価値観がバラバラに壊れる音が聞こえるようだ。

 やる気満々で、ただもしもの時のために当日券のみでの開催を手配している5月頭のアルバムリリースイベント、奈良NEVERLANDと東京O-EASTの2本のライブもおそらくこのままいくと開催は難しいのではないか。ギリギリまで検討して決めるつもりではいるが、ここから急に状況が良くなるとは考えにくい。収入は途絶え、仕事として成り立たなくなるのも時間の問題だ。

 

自分の信じた音楽は、果たして人が生きていくのに、必要なのか。

 

音楽だけではない、映画や演劇、芸術活動、表現活動、それ以外にも、エンターテイメント全般。そんなもの要らないと思ったことは今まで一度もないが、万人にとってそれが同じように必要なわけではない。そこに宿る感動や喜びは目に見えないものだ、衣食住とは違う。

その感覚を確かめるために少しづつ積み上げてきた自分なりのやり方。前作アルバム"In Dreams"をリリースし、CDとレコードの全てをLOSTAGEライブ会場手売りとTHROAT RECORDS店頭・オンラインショップで販売し、お客さん一人一人の顔を見て自分達の作った音楽を届けることが出来るかを確認しながら3年間やってきた。そして、このやり方で続けていけるという実感があり、自分に出来ることと出来ないことのキャパや所謂音楽業界との距離感もわかってきた。百姓が育てた野菜を売るように音楽を売って暮らしていくことが出来るんじゃないか、そのための仕組みを自分達で作ることが出来るんじゃないかと思えるようになってきたところだった。

その流れもあり、今回のアルバムは前作のプロセスを踏襲し、それに加え今までよりもっとライブ・ツアーでたくさんの街に行って、演奏することでより多くの人に直接伝える。それをやりたかった、出来ると思っていたし、やるつもりだった。

しかし、これが、なかなか思ったようにいかない、いつ何が起こるかわからないのが人生だ。ライブは出来ないし、店も開けられない、挙げ句の果てにスタジオでの練習や録音作業も控えた方がいい空気になってきている。八方塞がり、万事休すか。

 

ここは一度、原点に立返ろう。集客も売上もゼロかそれ以下、なんのアイデアもスキルなく、他にやることもなく、猿の自慰行為よろしく同じことをひたすら繰り返し、次のライブだけを目標にバイトで稼いだ身銭を切ってスタジオに集まり、磨り減っていくだけ先の見えない生活。それでも好きな音楽をやり続けることで自分は何度も救われてきた。その日々があったから、今ここにこのアルバムがある。芽が出るかわからない種を荒れ地に蒔いて水をやり続けてきたというわけだ、そろそろ収穫の時期だと思いたい。

 今、出来ないことを引きずっていても仕方がない、時間も無駄だ。気持ちを切り替え、そしてやれることをやるしかない。こんなことで自分の音楽を諦められるわけがないのだ。

 

事態の収束までの間、LOSTAGEの新しいアルバム"HARVEST"はBandcampからデータで販売、一緒に前作のIn Dreamsも期間限定でデータ販売することにした。値段はCDやレコードよりも安く設定してあるが、それより多めに支払ってもらうことも出来る。売り上げはBandcampへの手数料(良心的分配比率だと思う)支払い後そのままLOSTAGEとTHROAT RECORDSに入るのでサポートがあればあるだけありがたい。が、なくても全く気にしなくていい。まずは音楽の話だ。せっかくなんで出来ればダウンロードはwavファイル(1.7GBもあるが)の、いい音で聴いてもらえると嬉しい。

 

この音楽を必要とする人がどこかにいるならば、こんな状況だからこそ出来れば早く届けたい。

 

不安を抱えながらそれでも生きていかなくてはいけない人達の暮らしに、その生活の何か足しになれれば本望だ。今自分に出来ることはものすごく少なく限られているけれど、諦めるのはまだ早い。この長い暗闇のトンネルの向こうから、まだ誰も聴いたことのない新しい音楽が聴こえる。そしてきっとその先に新しいやり方、伝え方が生まれてくるに違いない。

 

 

https://lostage.bandcamp.com/

 

 

アルバム参加メンバーや内容についてはまた何かの機会でゆっくり話したいと思うが、この作品に関わった全ての人に感謝とリスペクトを。そして今窮地に追い込まれている、自分達の信じた音楽が鳴らされるべき全ての場所で、いつかこのアルバムの収録曲を思い切り演奏することが出来る日が来ることを切に願う。

 

 

 

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LOSTAGE / HARVEST

THC - 013

1.かぎろひ 2.パルス 3.独楽 4.髑髏 5.Les Misérables 6.MESSAGE 7.HARVEST 8.グレイアイドフィッシュ 9.残像

 

Throat / Acoustic Guitar : Takahisa Gomi
Guitar : Takuto Gomi
Drums : Tomokazu Iwaki

Bass / Percussion / Chorus : Kazuya Hori (AYNIW TEPO)
Piano / Keyboards : Koichi MIZUKAMI
Chorus : Achico (Ropes)


Words : Takahisa Gomi
Music : LOSTAGE


Recording & Mixing & Mastering : Keishiro Iwatani
Recording Assistant : Nozomi Tomita
for MORG STUDIO / Cold Brain Studio

SCULLpture : Tomonobu Asamura
Photograph : Kuniyoshi Taikou

Love : Gotch / WAVE RIDER LLC

 

 

 

 

 

 

 

 

 

HARVEST

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LOSTAGE NEW ALBUM "HARVEST" 

2020.05.04 ON SALE

FORMAT : CD

2700 YEN (TAX IN)

THROAT RECORDS (THC-013)

 

PHOTO : Taikou Kuniyoshi

SCULPTURE : Tomonobu Asamura

 

THROAT/ACOUSTIC GUITAR : Takahisa Gomi

ELECTRIC GUITAR/CHORUS : Takuto Gomi

DRUMS : Tomokazu Iwaki

 

BASS/PERCUSSION/CHORUS : Kazuya Hori (AYNIW TEPO)

PIANO/KEYBOARD : Koichi

CHORUS : Achico (Ropes)

 

RECORDING&MIXING&MASTERING : Keishiro Iwatani

 

収録曲

1.かぎろひ 2.パルス 3.独楽 4.髑髏 5.Les Misérables 6.MESSAGE 7.HARVEST 8.グレイアイドフィッシュ 9.残像

 

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2020/05/04(MON) / NARA NEVERLAND

LOSTAGE presents [HARVEST TOURS]

DAY-01

OPEN : 未定 / START : 未定

当日券のみ 3500+1ドリンク

顔写真付き学生証提示で1000+1ドリンク

※25歳以下の学生(小学生~大学・短大・専門学校生)の方が対象です。

 

注意事項

コロナウイルス感染拡大の影響により、イベント直前に開催の中止もしくは延期の可能性があります。

・当日券の販売方法、時間帯は後日詳細を告知します。

 

問い合わせ : スロートレコーズ 0742-23-4700 (営業日)

 

 

2020/05/09(SAT) / SHIBUYA TSUTAYA O-EAST

LOSTAGE presents [HARVEST TOURS]

DAY-02

OPEN : 未定 / START : 未定

当日券のみ 3500+1ドリンク

顔写真付き学生証提示で1000+1ドリンク

※25歳以下の学生(小学生~大学・短大・専門学校生)の方が対象です。

 

注意事項

コロナウイルス感染拡大の影響により、イベント直前に開催の中止もしくは延期の可能性があります。

・ライブ当日ステージ上にて動画撮影予定あり。

・当日券の販売方法、時間帯は後日詳細を告知します。

 

問い合わせ : シブヤテレビジョン 03-5428-8793 (平日 12:00 - 18:00)

VIRUS

今朝、胃癌と肺癌の検診に行ってきた。

去年40歳になったので奈良市から健康診断を受けにいくように通知が来た。先月くらいから時間を作って小分けにして行っている、今のところ異常はない。今日の検診結果は1ヶ月後くらいに自宅に送られてくるそうだ。30過ぎまでアルバイトしかしていなかったところから急に自営業になったので成人してから健康診断の経験がない。初バリウム、初白いウンコである。これから定期的に自分で検査に行かないといけないと思うと気が滅入ってくるが、そういう歳になったのだなと実感もする。

診断を受けに行った市の施設ではコロナウイルス感染拡大の注意喚起するポスターが目立つ場所に貼られ、職員は皆マスクを付けていた。まだ身近に感染者が出ていないとはいえ、スーパーやコンビニでマスクやトイレットペーパーが売り切れているのを見かけると事の重大さを改めて思う。

人は皆、死や病気に纏わる出来事が自分の生活圏内に侵入してくると急にスイッチが入るように出来ている。自分だってそうだ、つい1ヶ月前は対岸の火事だと高を括っていた。それがどうだ、今は自分のやっているバンドのライブがいくつもキャンセルになり、店の来客数は激減、このままでは生活が危うい。ただ焦ってどうにかなるわけでもなく、事態の収束を願いつつ、今出来ることやこれからやるべきことを考えるしかない。

 

3月のLOSTAGEと自分のソロ弾き語りのライブは現在下記の4本が中止もしくは延期となっている。

3/7大阪ANIMA

3/8横浜F.A.D

3/9横浜F.A.D(ソロ弾き語り)

3/10名古屋DIAMOND HALL

 

 https://lostage.co/

チケットの払い戻し対応詳細や延期の場合の振替公演詳細も追ってアナウンスされるので、チケットをお持ちの方は引き続き確認していただきたい。

 

3/22に予定されている新代田FEVERのライブも現在開催の可否を主催側と検討中。今日もメールのやり取りがあったが、おそらくこのまま日が過ぎれば開催は出来ないのではないかという感触だった。また決まり次第アナウンスさせてもらう。

4月以降のライブに関してもその時点での状況が全くわからない現段階で約束出来ることというのがなく、これから順次どのように対応していくのかが発表になると思う。

5月頭に発売を予定しているLOSTAGEの新しいアルバムはそれに向けて現在も準備中だが、リリースは出来ても今のこの感じだとライブが出来るのかどうかわからない。その時点で事態が収束しているかどうかが読めない以上何も決められず、その対応で今追われている。

 

そんな中ニュースで取り沙汰されている、ウイルスの感染経路。それがライブハウスだったからといってその業種に何の責任があるのか。ライブハウスに、そこに人を集めた企画者出演者になんの落ち度があるのか。それが公共施設だろうが満員電車だろうが同じことだ。人が集まれば感染リスクが高まる、感染拡大を抑えるために人が集まるのを避けようということだろう。ライブハウス、ライブハウスと煩い。主語はライブハウスではなくウイルスだろう、いい加減キレそうだ。

普段、何ヶ月も先のライブの演奏予定を告知出来ているのは、それを受け入れてくれるライブハウスがその街にあり、そこに集まるために自分達の予定を都合してくれているお客さん達がいるからである。そのことを痛感している。今のような状況は人を集めることを生業とする我々のような職種にとっては大ダメージ、打つ手がない。イベントの開催も中止延期も、どのような対応も正解とはいえない。ただただどうしようもなく選ばざるを得ない状況で選んでいる。潰れる会社や終わってしまうグループ/個人なんかも出てくるかもしれない。途方に暮れてしまう。

アホの一つ覚えみたいに集まるな集まるなという。人を集める、簡単なことではない。集めるのも集まるのもそんな簡単なことではないのだ。一人でも多くの人に集まってもらおうと今まで活動してきた、主にライブハウスで。コツコツやってきたわけ。悔しい。

今のこの状況ではそれが是非を問われる行動になってしまったのかもしれないが、ライブをやるなら人は集めたい。今出来ないなら、時を改めて必ず人は集めたい。音楽もバンドもそのためにやってる。必ずいつかリベンジだ。

人を集める仕事、最高でしょう。何も悪くない。これからも誇りを持って活動を続ける、ライブハウスで。今は調子悪い、そういう時もある。

 

最近いいニュース無さすぎるので、近日中に新しいアルバムリリースの情報解禁しますね。