Annabel (lee) / By the sea... and other solitary places

今日は午前中から急用、午後も長引いてしまって店臨時休業。不安定な店で迷惑ばかりかけている、申し訳ない。

合間に少し時間があったのでリサイクルショップのパトロール。捨て値で売られている服とアウトドアで使えそうな木のコップ購入。他人が要らなくなったモノに新しく価値を見出す行為は気持ちが良い、リサイクルショップもネットオークションも。気づいたら大体身の回りのモノはセコハンである。

夕方自宅に帰って趣味の木工、子供が使うおもちゃ箱。木を削ったりオイルを塗ったりしていると無心になれるのでいい。雑念が多い人にオススメ。

今レコード聴きながら飲酒。想定外の半休日になったがゆっくり出来た。明日からまた頑張ろう。


たまたま気になって最近購入したAnnabel (lee)のレコード、クソかっこいい。NINJA TUNEから出てるけど詳細不明。抱き合ってるPortisheadVincent Galloに霧吹きで水かけて濡らしたような音楽、暗くてスモーキーで最高やで。

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BGM : Annabel (lee) / By the sea... and other solitary places

Angelo De Augustine

今日もたまたま関連動画で知ることになった米カリフォルニアのSSW、Angelo De Augustine

昨日Liam Hayesのカセットを注文してから、自分で聴く音楽は自分で探したり選んだりしたいなものだなと思ったが、考えてみれば新しく何かを知るきっかけが用意されているのは、だいたい時代の流れとか誰かの意思とかそんなもので形作られたフィールドの上だ。果たして本当に自分の意思で選び取ったものって今時あるのだろうか、不安になってくる。

それでも曲の良し悪しくらいは(少なくとも自分の好みかそうではないかくらいは)自分で判断したい。それすらもコントロールされているように感じてしまう昨今、緩やかな洗脳、優しいマインドコントロール、無意識な奴隷、、、よくあるSF映画の話ではない。

日常生活に潜む些細な違和感をキャッチするアンテナは、音楽で震える心と同じ材料で出来ている。ような気がする。壊れないように、壊さないように。

 

どうでもいいことを書いてしまった。

 

Angelo De AugustineはSufjan Stevensの主宰するAsthmatic Kittyというレーベルからリリースしてる人みたいで、2014年くらいから作品リリースがある。てことは若い人なのか、見た感じは髭もじゃで年齢不詳。話し声は若そうだ。曲はちょっとキラキラ成分多めのNick Drakeみたいな。なんにせよ、めちゃめちゃいい声といい曲だ。どうやったらこんな声が出るのかわからないが、ライブセッション映像のようなマイキングでこの感じを出す方法を今度RECエンジニアのKC君に聞いてみようと思う。

 

Sufjan Stevensとのスタジオセッション

www.youtube.com

 Angelo De Augustineの様子を伺いながらピアノを演奏するSufjan Stevensの顔がとてもいい、オッサンぽいグレーの靴下も。無論声も曲もいい。

 

 

 

 

Liam Hayesのカセット

仕事中に中古のレコードの相場なんかをチェックしたりしながら、たまに昔好きでよく聴いていたアルバムを作った人が最近どうしているのかをふと思い出して検索にかけたりすることがある。

 

Plush名義で1998年にDominoとDrag Cityからリリースされたアルバム"More You Becomes You"。当時リアルタイムで聴いていたわけではないが、確かSteve Albini録音の作品にハマって色々聴きあさっていた時にたまたま巡りあったのだったと思う。ほぼ全編ピアノと歌だけのシンプルの極みのような作品で、全10曲入り。トータルで30分くらいのアルバムにしては短い小作品である。おそらくSteve Albiniによる一発録りで(もしかしたら通してツルッと全曲録音したのかもしれない)1曲目"Virginia"の冒頭で録音機材の起動音のようなものが入っていたり、3曲目の"(I didn't know) I was asleep"では声が裏返っても笑って誤魔化しそのまま曲が進んでいったり、最終曲の後には少し長めの余韻の後PlushことLiam Hayesがピアノの前から立ち去る足音が入っていたりする。終始リラックスした雰囲気と同時に伝わってくる不安定さや緊張感は狙って作られたものなのか、自然にそうなって出来上がったものなのか知る由もないが、奇跡のようなバランスでその時の空気がそのままパッケージされた紛うことなき90年代の名盤だ。そして自分にとっては人生の節目に楔を打ち込んだオールタイムフェイバリットとなる作品なのである。疲れた日にもいい、雨の日にも合う、友人と酒を飲んでいる時も、1人でいる時も、いつ聴いても最高なのだ。中古で見かける度に何度もレコードを買い直し、人にあげたり勧めたりしてきた。このアルバムが好きな人も沢山いるだろう。最近だとGEZANのマヒトともこの作品の話をした。マヒトのコラムにも出てくる。

https://www.jetsetrecords.net/column/mahitothepeople/2018-12-24/

 

そしてそれ以降Plushでの作品のリリースや、その後のLiam Hayes名義でのリリースがある度に"More You Becomes You"の続きが聴きたいと思いながら、その都度チェックしてきたがそれ以降あのアルバムと同じような作品が作られることはなかった。"More You Becomes You"以外のアルバムが良くないというわけではない、以降の作り込まれたポップスはそれ単独では素晴らしい内容だったと思う。ただ、彼の音楽に自分が求めていた音ではなかったというだけの話だ。面倒くさいファンの勝手過ぎる戯言だと思う。

 

それでも寡作ながらリリースがある度にチェックしつつ、あれはあれで特別な作品だったのだなと確認しながらそんなに期待することもなくなっていった。それが今日、たまたまYouTubeでLiam Hayesで検索したところヒットした聴いたことのない音源、それがこの"Mirage Garage"である。

www.youtube.com

何だこれは、何かのブート音源かと思いつつ聴いてみると何とも言えないヨレた質感の音像と頼りない歌。最高過ぎて何度も聴いた。これを待っていたのだ!!とかいうと大袈裟かもしれない。ピアノの弾き語りでもないし、曲調も近くはない。ただ同じような空気を感じたというだけで買いかぶっているのかもしれないし、たまたま今日ふとしたはずみで見つけたという偶然のような出会いがノスタルジックな気持ちのスイッチを入れたのかもしれない。

 

Liam Hayesオフィシャルのホームページをチェックすると、去年の9月にリリースされていたようだ。カセットのみで。カセットだけかよ!

https://www.liamhayesandplush.com/releases/mirage-garage

面倒くさいことするなぁと思いながら彼の書いた記事を読むと

https://www.liamhayesandplush.com/news/2018/6/20/530u1jv3w29hzt6xf6yrvrotijlced

(英語は得意じゃないので何となくしかわからないが)前作の"Slurrup"のリリース後のツアーを終えて疲れ切っていたところ、休暇を取ってLAで気分転換をしている間に思い立ってLuther Russellという人と一緒にガレージで4トラックのMTRか何かを使い自分の楽しみのために録音した作品のようだ。録ってみたら良かったので出すけど、カセットで録音したからカセットで出すのがいいと思う、みたいなことが書いてあった。言っていることはわからなくもないが、買う方からしたらハードルは上がる。売るとか届けるとかいう段階の前の部分が文章になっている。嘘のない感じがいい。

 

そしてすぐにオフィシャルのサイトから注文したのは言うまでもない。海外通販なので届くまで少し時間がかかるが、それを待っている今の状態も何だかドキドキしていい。音はすでにYouTubeで聴いてるので届いた時に初めて聴くわけではないが、それでもやはりこうしてまた出会えた音楽が自分のところに届くのを待つのはいい。久しぶりの感覚だ。

 

ふと自分の今やっているバンドと、CDやレコードの売り方のことを考えた。正解も不正解もないと思うが、迷いながらやってきた。今も迷っていることは沢山あって日々これからの音楽との付き合い方について考えている。そして今このタイミングで再び出会ったPlush(Liam Hayes)のこのカセットが自分に何か大切なことを教えてくれたような気がしている。この自分の今の気持ちもパッケージ出来るならば、楽しみにしてくれている人達の元へ自分の作った音楽と一緒に届けたい。

 

カセットプレーヤー、持ってないのでカセットが届いたら買うぞ。

 

 BGM : Liam Hayes / Mirage Garage

 

LOSTAGE SUMMER BREAK

こないだ6月9日にアルバムIn DreamsのCD発売からちょうど丸2年経った。

先日In Dreamsのアナログがリリースなったこともあり、このタイミングでインタビューサイト[Strike A Chord]がアルバムのエンジニアで普段の我々の音響も担当してくれている岩谷KC啓士郎と俺とのインタビュー記事を掲載してくれている。

https://strikeachord.amebaownd.com/posts/6388542

発売から2年経ったが、今でもこうやって興味を持ってもらえて本当にありがたいし、作ってよかったなと思えた。制作当時を振り返って思い出しながら作品について緩く話しているだけだが、中々いいことを言っているよな俺。どうだろう、わからんが。KC君の話も興味深い。みなさん是非。

 

そんなこともありつつ、新しいアルバムも作っている。しばらくライブがないので、活動休止活動資金調達のためにTシャツとトートバッグを作って売っている。今日はそれをオンラインショップにアップした。売れたら助かる、生活が。

 http://throatrecords.ocnk.net/

こちらも興味があれば是非。

 

無ければ仕方ない。

 

BGM : Os Partideiros Do Pla - O Pla Dos Partideiros

Route 169, Morning

先日の奈良生駒から東京吉祥寺と弾き語りのライブが続いてたので、ちょっと疲れている。

早朝に奈良に戻り。レコードや物販など荷物があったので機材車移動、東京〜奈良を1人で運転はきつい。途中疲れたのでサービスエリアで少しだけ仮眠を取ろうとしたら、がっつり寝てしまった。同じサービスエリアにおそらく仮眠中のトラックがたくさん停まっていたが、大変な仕事だと思う。


帰宅して準備して出勤。


ライブで店を休んでいた間の通販の発送などを終える。平日の店は来客が少ないので儲からないがゆっくり出来ていい。暇とか言って笑っている場合でないが、店で1人で何かをしている時間が好きである。仕事が好きというわけではない、仕事はどちらかといえば嫌いだ。

 

今朝高速道路を運転中、最近出たNOT WONKのDown the Valleyを通して聴く。とても良い、隅々まで丁寧に作られているのが伝わってくる。バンドアンサンブルも加藤くんの歌も生き生きしているし、バンドが今すごい勢いで更新されていっているのだろう。溢れ出るエネルギーが凄い作品だ。このアルバムを地方都市苫小牧で作ったというのも他人事でない感じがして、俺も頑張らないとなと背中を押された気がする。

 

その後新しいアルバムの制作でサポートを頼んでいるAYNIW TEPOの堀から送られてきたバンドのデモに手を加えたものを聴く、LOSTAGEに新しい風が吹き込んできたような新鮮さがあった。まだまだ始まったばかりだが、アルバムの制作が楽しみだ。とても良いものが出来そうな気がする。

 

ツアーで走り慣れた道、国道169号線の朝。

 

BGM : NOT WONK / Down the Valley

 

 

 

 

最近のLOSTAGE

今日はちょっとづつ出てきた曲の原案やネタのようなものをまとめてSoundCloudにアップして一緒にアルバムを作るメンバーと共有できるように準備。簡単に出来て便利でいい。

スタジオには週2回、今までと同じように入っている。既存の曲の演奏はせず、新しい曲の制作。今月6月から10月までライブが無いので、その間に来年リリース予定のアルバムの準備。骨格みたいなものだけでもその期間に作れたら、あとはライブをやりながらそれに肉付けしていけばいいかなと思っている。

新しいアルバムに収録予定の曲はまだ全くと言っていいくらい出来ていないが、テーマのようなものは決まった。次はちょっと作り方から今までと変えてみようと思う。変えるといっても当社比の話なので出来上がったものを聴いて、前と同じだなと感じる人もいるかもしれない。自分が新鮮な気持ちでやれるように何をやるのかということだ。

トータルタイム40分から45分くらいで7曲か8曲入り、CDとレコードでリリースして、少し落ち着いた音の質感やアンサンブルで、多分サポートメンバーが入ることになると思う。

プロモーションや販売戦略のようなものはまだ何も考えていない。話題になるかどうかよりも、まず自分が納得いく作品が作れるかどうかを今は考えたい。

いいものが出来れば、それをどうやって聴いてもらうか買ってもらうかを考えればいい。いいものが出来なければリリースしなければいい。

簡単な話だと思う。

誰かにやらされているわけでも、やらないといけないことなわけでもないのだから。やりたくてやっているだけのもので妥協するのもアホらしい。

いざ!

 

BGM : Caetano Veloso / Cinema Caetano

 

 

 

 

進捗いかがでしょうか

進捗という、言葉がある。

 

締め切りが迫ってきた仕事なんかの確認メールで「進捗いかがでしょうか」というような、よく見かけるやつだ。だいたいそういうメールが来てる時点で状況はヤバくなっていることがほとんどなのであまり好きな言葉ではない。

 

これを今日までシンチョクと読むと知らなかった。恥ずかしい限りだ。

 

そういうのがたまにある、学生時代にサボって抜け落ちているのだろう。今まで40年くらい知らなくても生きてこられたので、知らなくてもあと30年くらいはなんとななりそうな気もする。

 

ただこれを声に出して読まないといけない状況で、間違えて読んだ時のなんとも言えない空気。あれは出来れば避けて通りたい。

 

以前、何卒をナニソツと言っている人がいた。ナニソツナニソツと連呼していたのが印象深い。

 

ナニソツよろしくされても困る。

 

言葉の読み方は正しく覚えておこう。

 

 

BGM : Paul Bley / Touching