伝えたいことがある時にそれを言葉にして自分の外側に取り出すのは慣れれば上手になるのかもしれないが、誰かに伝えるよりも手前にある内側でぐるぐるとぐにゃぐにゃとしてただ在る気持ちというものは言葉にするのが難しい。それはそのままそこに在る、それでいいようにも思う。人はそういったタイミングに出くわすと為す術なく、言葉は無力で、だからこそ言葉を紡ぐ行為にもまた人としての味わいが生まれるのだろう。
嬉しい、楽しい、面白いとも違った何か。悲しい、寂しい、悔しいともまた違った何か。言葉によって意味や形を与えられないものが誰の心の中にもある。
そういうものを抱え、それらと共に生きていかなければいけない。
そんなことを考えながら酒でも飲みに出かけたいなと思っていたら、FIXEDの音源MIX作業でたまたま昨日から奈良に来ているFIXED / CONGRATULATIONSギター魚頭さんから連絡があった。
一昨日、ちょうど魚頭さんがギターを弾いていたZのアルバム[絶塔]のレコードを家で聴いていたところだった、最高のアルバムだ（拓人もギターで一曲参加している）。Zの解散から10年経ったそうで、そのタイミングでファーストアルバムの[御壁]とサードの[絶塔]がApple MusicやSpotifyなどで聴けるようになったらしい。今聴いても全く色褪せていない。ハードコアのエモーションとアンダーグラウンドのパッションが凝縮された傑作なので、未聴の方は是非。
今日は店が終わったら魚頭さんと飲みにいく、昔のバンドの話とか肴に飲めたらええな。
