新しいアルバムのツアーのことなど

今日は早朝から店で借りている倉庫に行ってダンボール20箱ほどの中古レコードをピックアップ、そこから高知県にある蔦屋書店へ。中古レコードの出張販売は肉体労働だ。現場まで奈良から車で片道ジャスト4時間、1人で運転するには少し遠く感じる距離だった。

 関西を拠点に活動するバンド、マッカーサーアコンチアチャコさんがキュレーターを務めるイベントに中古レコードショップTHROAT RECORDSとして参加させてもらった。高知に行くのは今日が3度目。以前の2回はLOSTAGEのライブだ。その2回のライブは共に高知のバンド、アルパカスに企画して呼んでもらった。カオティックノイズとクロスポイント。もうかなり前のことになるが両日とても楽しくて良い日だった。

今日もアルパカスの里見君が仕事終わりで合流してくれ、地元の美味いラーメン屋に連れて行ってくれたり話し相手になってくれていた。

 昼間、店番をしているとよく奈良のTHROAT RECORDSやLOSTAGEのライブにも来てくれていた高知で暮らすお客さんが差し入れを持って遊びにきてくれた。最近店でもライブでも見かけないので近況を訊ねると、少し前に結婚したそうで色々とやることが多くまた落ち着いたらライブにも店にも顔出しますよとのこと。久しぶりだったのがめでたい理由でよかった、おめでとうございます。

 夕方、出店を終え店を片付けて奈良に戻る。里見君が搬出を手伝ってくれたので入りの半分の時間で搬出完了。今、高速道路を走る途中のサービスエリア駐車場で日記を書いている。

 

1人だと運転をしながら考え事をすることが多い、今日あったことやこれからのことなど。日記の内容を頭の中で推敲していたら仕上がった言葉を忘れてしまいそうなので。鉄は熱いうちに打て、だ。

 

片道4時間、往復8時間の距離。

 

奈良まで会いに来てくれる彼女のようなお客さんやツアーで寄ってくれるアルパカスのようなバンドはこの道をどんな気持ちで通ってきただろう。その道を自分も同じように移動しながら(交通手段は違うのかもしれないが)想像する。

今春にリリース予定の新しいLOSTAGEのアルバム。この距離を越えてどうやって届けようか、うまく届けることが出来るだろうか。あの街でアルバムが再生されるところを、想像する。

 

レコーディング作業は7割ほど終わり、やっと全体像が見えてきた感じだ。タイトルや収録曲も定まり、ジャケット写真や新しいメンバー写真の撮影も無事に終わった。写真家タイコウクニヨシ氏の協力でイメージは完全に仕上がった、アルバムはまだここから更に良くなる。

 制作と並行してリリースとそれに纏わるツアーの段取りもやらないといけない。どちらかというと仕事になるのはこの並走している部分で、音楽活動自体は仕事だとあまり思っていない。怠惰な性格故、仕事はやりたくない気持ちでいつもいるがこればっかりは避けて通れない。自分だけでなくメンバーや協力してくれている人達や家族なんかにも迷惑がかかってしまうからだ、背負うものが日に日に増えていく。それが大人になるってことなのかもしれない。

近いうちにアルバムリリースのインフォメーションをなにかしらでやる予定。ジャケットの写真や収録曲、今作チームであるベーシスト堀も加えたメンバー写真なんかと一緒にツアーの情報も用意しておかないといけない。

 

約3年前、In Dreamsをリリースしてからずっと考えていた。考えたというより悩んでいたというほうが当てはまる気もする。結局リリース直前の今までわからないままきてしまった。音楽、というよりは仕事のやり方。伝えるには、売るためには、どうすればいいのか。そんなことばかり考えながら3年経った。その間にも世の中は変化し、自分も含め人の価値観も変化していった。

 

変わらないのは音楽だけだ。バンドで曲を作り演奏する喜びは今も3年前も、そして20年前も変わっていない。やりたいことをやる、やりたいこと。やりたいことってなんだっけ?

 

次のアルバムのツアー、47都道府県。今まで行ったことのある街も、ない街も。やったことないことは、やりたい、やってみたい、挑戦してみたい。出来るかどうかは今はわからない。ツアーのことはまだ1割も決められていないが、とにかくやるしかない。仕事もあり日々の暮らしもある中で大規模なツアーを銘打ってやるのは難しいと思うが、月に1ヶ所か2ヶ所ずつでも、何年かかっても。やりたいことをやろう。

 

今日会った人、ライブに来てくれる人、手紙をもらった人、店に来てくれる人、メールくれる人、通販注文してくれる人、なによりこの音楽を聴いてくれる人達。とにかく人だった、この3年間。20年間そうだったのかもしらない、わからなかっただけで。人に会う、テーマとしては最高だ。

 

人生、あてのない旅のようなもので。毎日同じ布団で眠っていても前日とは違う時間を移動している。続く旅路の途中に同じ日は2度なく、誰もがそうやって生きている。そうおもえば不安定な生活もなんとか乗り越えられる、気がしてくる。あてのない旅なら寄り道は多い方がいい、道草は食えるだけ食っといたほうがいい。

 

片道4時間、遠くて近い。

 

帰ったら明日もライブ、いざ。