福岡へ

さっきコンビニでお菓子を買おうとレジに並んでいたら、近くにいたおばさんが

「兄ちゃん、それ美味しそうやな。どこに売ってんの?」

と聞いてきたので教えるとその後並んで同じものを買っていた。たいして美味しくもない100円のスナック菓子であったが、何かいいことをしたような気持ちになった。何もしていないが。

最近店で買い物をしているとよく他のお客さんに話しかけられる。隙があるのだろうか。

 

現在、明日のライブの準備でまだ仕事中。

帰って寝て起きたら福岡へ向けて出発、午前6時。

 

LOSTAGEでは久しぶりの福岡なので、ものすごく楽しみである。

 

明日は隙のないライブをやろう。

 

ライブに合わせて新しいTシャツと前回と色違いのトートバッグ、福岡のライブ会場より販売開始。月末のライブが落ち着いたらまたオンラインショップの方にもアップする予定。

 

Talinum caffrum

 この2ヶ月くらいで急に葉が伸びたタリナム・カフルム。そろそろ自重に耐えかねて横臥しそう。

今日から週末まで暖かい、というか暑い日が続きそうなので植物達は多分喜んでいる。

 

NITRODAYのやぎひろみさんが去年いちばん聞いた作品とのことでWyatt Smithの"Maple"のレコードの画像をTweetしていたのが気になって聴いてみたら、それがとても良かった。所謂緩めのインディーロックというか宅録のような感じで、今の音楽のような昔の音楽のような。何かを思い出しそうな質感のアルバム。

雑誌のレビューとか、ウェブメディアのコメントとかじゃない、すごく個人的なところで誰かが良さをひっそりと紹介しているような音楽は多分すごく良いもので、そういう音楽達との偶然の出会いは長く大事にされる、と思う。それってすごくいいものだな。

KING GARBAGE / HEAVY METAL GREASY LOVE

最近のお気に入りで、たまたまTwitterで流れてきた記事が気になって購入。
今年のグラミー賞最多受賞でも話題になったJon BatisteやLeon Bridges等も手掛けるプロデューサーZach CooperとVictor DiMotsisによるユニット、約5年ぶり2枚目のアルバム。 カラフルでモダンでありながら同時にちょっとレトロでスモーキー、なんとも言えない絶妙の風合いを纏う傑作。昨今流行りのネオな似非ソウルとは一線を画す、粋人の余裕。
なぜかはわからないが、Mike PattonのIpecac Recordingsからのリリースというのも、なんか良い。さすがだ。

Ipecac Recordings

薄緑のクリアヴァイナルも綺麗で良かった。

King Garbageが参加したJon Batisteの"SING"

King Garbageが参加したLeon Bridgesの"Lions"


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さよなら林檎

店で仕事に使っているパソコンが壊れた。
いや、厳密に言うと壊れてはいないが最近調子が悪い。突然、前触れもなく、画面が真っ暗になり電源が落ちたりする。この画面一体型のiMacを使ってそろそろ8年になる。店にいるときは殆どの時間これを起動しており、これがないと全く仕事にならない。簡単に言うと、買い替えないといけなくなったというわけだ。痛い出費だが仕事道具なので仕方がない。仕方がないが、痛い。
とりあえずAppleのホームページで現在販売されている機種を調べてみる。同じ機種で買い替えればいいかと思っていたが、どこを探してもこれと同じものが見つからない。廃番になったようなのだ。8年も経てば世の中は変わる。それはわかる。ただAppleよ、何故この27インチモニター搭載のiMacを作るのをやめたのだ。困るじゃないか。楽器やエフェクターなんかを物色していてもよく思うが、名機ほど過去のものになりやすい。だいたい名機と呼ばれるものは一昔前のモデルだったりする。あれは何故だ。
27インチのモニターサイズが店の作業場の机にはちょうど良い。これより小さくても使えることには使えるが、何となくサイズダウンすると仕事のやる気もサイズダウンしてしまいそうな気がするのだ。欲深い俺は出来れば映画なんかも大きな画面で観たい。しかし、Apple社製品で同じサイズ感のものを揃えるとなると本体と別にモニターを購入しなければならず、そうすると合計のかかる金額が大変なことになる。そんな金額はどう考えても払えない。しばし、途方に暮れる。気持ちのやり場がない。
 
誤解のないように先に一応言っておくが、Appleの製品は物凄く使いやすい。最高に便利である、それは間違いない。
 
Apple社製品を使っている人にはわかると思うが、この洗練されたデザインの機器は同じテイストのもので統一して使いたくなるように作られている。初めはそれでよかった。この林檎のマークのガジェットを使いこなしている自分、まるで仕事が出来る人間になったかのような気持ちにすらなった。大体出来る奴らはAppleを使っている。ただ俺は違うのだ、邪な先入観に惑わされて気付いたら一式揃えてしまっていた。そして、その無為無策ミーハー野郎の選んだ道具達に、この味のない白飯のようなデザインに、齧り取られた林檎のシルエットに、俺はもうウンザリなのだ。こんなことを言うとApple好きの人に怒られそうだが。
 
色々と時間をかけて調べた結果、毒を食らわば皿までといきたかったところだがPCの本体は現状のスペックに近いMacのminiに買い替え、それ以外はコスパを優先して他社製品に乗り換えることにした。これだけぶつくさ言っても結局本体はMacなのである、負けを認めざるをえない。ただ、モニターは思い切って今よりもサイズアップして32インチに、ついでにキーボードとマウスもMagicな奴らとはおさらばして、全く使い勝手の違う他社製品に乗り換えだ。
 
斯くして、買い替えたキーボードが届いたので今それでブログを書いている。正直ものすごく使いにくいが、多分すぐに慣れるだろう。今まではApple製品に慣れすぎていた、手足の一部のようになっていたのだ。信頼と依存、利便性と中毒性は紙一重だ。スマートフォンも何年か前にiPhoneとは決別し、中古で買った5000円くらいのものを壊れるまで使っては買い替えている。それも最初はものすごく不便だったが、慣れればどうということはなかった。こんなものに振り回されてたまるか、そんな気持ちでいる。
 
なぜそんなことをやっているのかわからなくなることもあるが、何となくそうした方がいいという直感に従ってやっている。道具がどんなものであっても、ある程度安定したパフォーマンスを維持しておきたいのである。
こんなものに振り回されてたまるか、そんな気持ちでいるのだ。

 
 

ボタニカル・ライフ 植物生活 / いとうせいこう

下町のカレル・チャペックこと、いとうせいこう氏が1996年10月〜1999年12月の間に書き綴ってきたベランダ植物育成論。途中、浅草に引っ越したり飼っていたメダカが死んだりと植物以外のエピソードも少しは挟みつつ、基本はいとう氏が日々自宅のベランダとリビングを行ったり来たりしながら繰り広げられたボタニカルな論考、独り言、或いは妄想。マニアックで危険な本である、読む人を選ぶ本と言ってもいい。

なんらかの想いを持って植物を育てたことがある人、今育てている人、或いはこれから育てようと思っている人にとってはある種の経典、啓発本、ガイドブックとして末長く読まれるべき名著であることは間違いがない。各自室内用とベランダ用に2冊持っておいてもいいくらいだ。ただ、興味のない人にはもしかしたら何が書いてあるか全く理解出来ないかもしれない、狂人の植物偏愛日記とも読める。

とにかく面白かった。あまりにも面白い本は読み終わるのが寂しすぎて後半の読書ペースがスローになったりするが、最後の方はほとんど1日1章くらいのペースで読んでいた。嗚呼、もうすぐ読み終わってしまうなどと嘆息をもらしていると、Amazon様が次に読むべき関連書籍で続編らしきものを紹介している。即注文した。恐るべしA.I.のアルゴリズム。早速それが手元に届いたので"ボタニカル・ライフ"を一気に読み終える。なんとも言えない自己肯定感の漲る読後の気持ち良さ。流行りのサウナで言うところの「整いました」、あれに近いのではないか。これで何の躊躇いもなく、また新しい鉢植えを買い足すことが出来る。

植物達が一斉に動き出す、この季節にぴったりの一冊だ。