18/03/14 バンド結成

今日は店の営業が終わってからバンドの練習で新大宮のスタジオE♭へ。

練習といってもLOSTAGEのいつもの練習ではなく最近新しく結成されたバンドpowdersの初のバンドメンバー揃っての練習だ。メンバーはTHROAT RECORDSの常連さんでライブにもよく来てくれている彩音ちゃんという女の子とTHROAT RECORDSの近くにあるapa apa cafeのオーナーのハルちゃん、そして俺。彩音ちゃんがリーダーで歌とギター、ハルちゃんはベース、そして俺がドラムである。バンドでドラムを叩くのは20歳くらいの時ぶりなのでほぼ初心者みたいなもの、たまにLOSTAGEの移動中の機材車内やライブ前の暇潰しにスネアのルーディメンツなんかを岩城に教えてもらったりしているが日常的にドラムの練習をしているわけではない、機材も持っていない。

彩音ちゃんは普段から絵を描いたり宅録で曲を作ったりしている、夏にその書き溜めた絵の展示会をapa apa cafeでやることになり、その会場のオープニングパーティで彼女の作った曲をバンドのライブ演奏で披露する予定だ。関係性でいうと、絵の展示をする人とその展示会場に場所を提供する人、そして近所でレコード屋をやっているおじさんといったところか。女性陣2人からバンドを結成する話が立ち上がりドラムのメンバーを探していたところ、その話をタイミングよく聞いたので参加させてもらうことになった。ドラムはほとんど叩けないが、なんだか楽しそうだったので。スタジオでは高校生の時に組んだバンドのことを思い出したりしながら、楽しい時間を過ごした。忘れがちな初心を思い出したという感じだ。


普段からよく思うことで、音楽活動の線引きというのがある。


たまにこんなことをいう人がいる。


「俺も昔バンドをやっていた」


無用の過去形である、文字通り今はもうそれをやっていないということだろう。そしてなんだか寂しそうな顔をしていたり、今もバンドをやっている自分のことを少し小馬鹿にしたような空気を出してきたりする。まるでなにかの学校を卒業でもしてきたかのような態度でマウントポジションを取ろうとしてくる。迷惑な話だ、お前の昔やっていたバンドの話などどうでもいい。
なんらかの事情がありバンド活動が続けられなくなったり、続けたくなくなる。そんな話は世に星の数ほどあり、かつては存在したが今はもういないバンドの話など腐るほどあるだろう。バンドでの活動に拘るあまり、自分の音楽が聞こえなくなってしまった人の話など聞きたくもないのである。
バンドはやっていて面白いし、そこでしか生まれないものがある。その活動に身を置いている自分のことも気に入っている。ただそれに依存してしまって自分の音楽が聞こえなくなってしまったら本末転倒というものだ。音楽が好きな人や得意な人が集まり、1人では出来ないことを手分けして1つの形にしたり、他人と関わることで生まれる化学反応を楽しめるのがバンドの醍醐味だと思う。一夜限りの企画ものバンドもあれば何十年も続いていくバンドもあるが、好きな人や得意な人が複数人数集まって音楽を共有する集団、その総称がバンドなのである。それ以上でも以下でもない。
職人のような技で1つの楽器や歌の完成度を高める第一線のプロミュージシャン、月に何度かスタジオで集まって練習だけ続けている趣味のバンド活動、1人ベッドルームで夜な夜な宅録作業に勤しむ愛好家、なんでもいいがどれもこれも同じように素晴らしいと思う。出来上がってきた音楽を聴いた感想や、良い悪いは個人の好みや価値観の問題でしかない。

自分の音楽が終わらない限り、バンドには出たり入ったりいつでも出来る。バンドが終わったことでその人の音楽が終わったのなら、それは寂しい話だが仕方がない。そこまでの音楽だったということだ。そもそも音楽に始まりはあっても終わりなんかない、常々そう思っている。



もうすぐ[働きながら音楽活動をする]というテーマのトークイベントが福岡である、そこで何を話せばいいのかまだ何も決めていないが、この気持ちは上手く伝わるだろうか。