28/02/07 ハンズフリーヘッドセットと扇町para-dice

毎日寒い、冬ってこんなに寒かったか。1年前どのくらい寒かったかは忘れているので比べようがないが、店の暖房の効き具合からここ何年かでもかなり寒い方の冬になっている気がする。毎日の自転車通勤は手の血液が凍るんじゃないかというくらい寒い。室内でも手袋や使い捨て懐炉が要るくらい寒い。早く自転車でどこかへ出かけようと思えるくらいの気温になって欲しいと思う。

昨日は平日だったこともあり来客数は少なめ、事務作業をこなしながら1日過ごした。電話問い合わせ3件、以前納品されたCDの売れ枚数の確認、店舗営業時間と営業日の問い合わせ。電話から「LOSTAGEの五味は店頭に出ていますか」、俺しかいないので営業日は自分が店頭に立っていると説明すると「本人ですか?声が違いますね」とお客さん。どの声の事だろうか。歌っている時の声と電話の声は当たり前だが、違う。歌うときのテンションで電話に出る人はいない。歌うように電話に出る人がいたら、それはそれで楽しいかもしれない。歌うときは歌うときの声、電話で話すときは電話で話す用の声、目の前にいる人とは目の前の人と話す声で話しているということだ。

店の前のベンチに座って通行人を眺めているとたまに電話をハンズフリーのヘッドセットで使っている人を見かける。その場にいない誰かと通信しているので、コミュニケーションをとっているときの表情をしているが、関係のない人から見ると不自然で不気味だ。さっきも笑いながら歩いて近づいてくる人がいた。あの姿を見るとどうしても抵抗があり、馴染めない。彼らは何用の声で話しているのだろうか。俺の思っている電話用の声とは少し違う気がする。

閉店間際に元Happy Under Riverの安井さん突然来店、扇町para-diceの安井さんといった方がわかりやすいだろうか。安井さんとは彼がHappy Under Riverでベースを弾いていた頃に知り合った、15年くらい前の話だ。わざわざ店まで来てくれて、急に何の用だろうと思いながら少し話す。最近のお互いの状況やライブハウス、バンドの話など。安井さんは俺より3つか4つくらい歳上でバンドの先輩だ、あの頃やっていたバンドはもう辞めてしまったが、知り合ったときに先輩だった人は一生先輩のままで、何かのきっかけで後輩になることはない。自分より1日でも長く生きて、1日でも早く何かを始めた人は全て先輩だ。先輩からはいつも何か学ぶことはないかと目を光らせている、音楽のこと生き方のこと、なんでもいい。学ぶというより盗み取るという方が合ってるかもしれない。かっこ悪い先輩もいるが、それはそれで反面教師として目を光らせておかないといけない。尊敬と対抗意識、今まで出会った先輩達は全て超えていかないといけない壁である。安井さんとは久しぶりに会い、昔話ではなくこれからの話が出来た。いい時間だった。

10年位前、同じ場所に昔あった扇町DICEが扇町para-diceに生まれ変わる節目のライブだったと思う。DICEに8ottoのライブを観に行ったのを覚えている、folk enoughも出ていた。安井さんに会って、そのときの事を思い出した。ネットで検索してみたらそのときの自分の日記が出てきた。

http://d.hatena.ne.jp/hostage/20090330/1238374093

あの日のライブのチケットの半券は今も自宅の壁のコルクボードに貼り付けてある。

扇町para-dice、近々また遊びに行こう。