47都道府県ツアーLOSTAGE the TOURを終えて

久しぶりに自分の日記を開いて、去年のアルバムリリース後のタイミングで更新してから1年以上放置されていることに気付く。1年以上放ったらかしになっているものを日記と呼んでいいものかどうか。画面から気色の悪い広告を取り除くために有料版にアップグレードしたにも関わらず、空家賃を支払続けていたような気持ちだ。全て自分のせいである。

とはいえその間、怠惰な日々を過ごしていたとういうわけではなく、タイトルにもあるように47都道府県を文字通り全て回るツアー(追加公演も含むと52公演)LOSTAGE the TOURに傾注しておったわけで、先月8月の25日神奈川川崎クラブチッタのワンマン公演にて無事ツアーを締めくくることが出来た。

この場を借りて(一体どの場なんだという気もしているが)関係各位、ツアー各会場含めご来場いただいた皆さん、共演者の皆、バンドメンバー、家族や友人、全ての人々に感謝を伝えたい。

 

長かったツアーの素晴らしき日々を文章にまとめて発信するのもいいと思ったが、このツアーで伝えたかったことは我々の作ったアルバムと共に各地の現場で直接手渡し/目渡し/耳渡しで届けることが出来たと思っているので、今更語ることはあまりないようにも思う。ツアー後の自分も含めメンバー/スタッフの回顧と総括は先日ライターの石井恵梨子さんに取材をお願いして、現在まとめている最中なので何かしらの形で皆のところに届くもとい、興味のある方のところには届くように現在準備中。

 

このツアーを経て確信したことの一つに現場でのコミュニケーションでしか伝えられない熱、というものがある。コロナ禍を経て、より現実味を帯びたほとんど全てのことがオンラインで済ませることが出来る暮らし。もちろん何もかも全てというわけではなく、髪が伸びたら美容室に行くであろうし病気になったら病院に行くが、それでも予約はオンラインで現地では極力人に接することなく、決済もオンラインで、というのが当たり前、人々の暮らしは現実世界との関わりを出来るだけ減らす方向に舵を切ったように思う。振り返れば合理化という正義、正論に削り落とされた熱、人と人との触れ合い、衝突、軋轢によって生まれるはずの温もりが残火となって遠くで煙を上げている。

 

各地のライブ会場で体感したあの熱にやられたまま今に至り、日記を書くこともSNSを更新するのも億劫になっていた。全国行脚のツアー、汗水垂らして街の底をさらって来た結果、コロナウイルスよりも厄介なものに感染してしまったようで、それは多分ある意味では正しく、そして間違っている。

 

演奏、ライブ、音楽制作とその販売(極端にクローズドな)だけで生きていくことが出来ればいいのかもしれないが、閉ざされた村の中で胡座をかいてやり過ごすことになんの意味があるのかもわからない。流水は腐らず、そして行雲流水ともいう。 このツアー、ひいてはこれまでの活動に執着せず時代の流れを敏感に感じ取りながら、今現在の自分達の形というものを改めて設定し直す必要があるのではないか。

 

具体的にどうするのかはこれから考えるとして(いくつかやろうと思っていることはあるが)、ひとまず川崎クラブチッタにて発表になった秋からの東名阪クアトロツアー、そして来年2025年3月の日比谷野音のワンマン公演に向けて、万全を期して臨みたい。

 

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