18/02/20 中古のレコードと新品の過剰在庫

朝からLOSTAGEスタジオ、10時集合だがメンバーまだ慣れておらずなかなか時間通りに集まれない。朝っぱらからあまりテキパキするのも疲れそうなのであまりストイックになり過ぎないように少しづつ安定させていきたい。

今日は店頭に出す7インチの中古盤の検盤やクリーニングなど色々。中古のレコードの値段設定は難しい。レコード屋で修行してたわけでもないので店を始めた頃はかなりいい加減な仕事をしていたと思う。ツアーなどで出かけた時は各地レコード屋の値段設定をチェックしたり、普段はネットや本で相場などを調べたりしながら少しづつやっている。仕事は遅いだろう、比べようがないが。買取の時なんかも売値から逆算して買い取らせてもらうのだが、売れるかどうかなんか出してみないとわからないのでほとんど博打みたいなもんだ。ある程度こういう商品は自分の店で売れるだろうなというのは掴めてきたような気もするが、これが売れるのか、、みたいなこともしょっちゅうあるのでわからないといえばわからない。今時誰でも常にオンラインみたいな状態で、だいたいの物の市場価格のチェックはすぐに出来る。それを目安に店頭に商品を並べるのはそう難しいことではないが、そればかりやっていても面白い店にはならない。自分の価値観で商品を査定/選別し、自分の言葉でコメントカードが作れるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだ。ちょっと間違っているくらいのよくわからない価格設定で今はやってていいような気もする。日々勉強だ。
去年は買取の件数が多かったので在庫が店に置けなくなり、少し店からは離れてしまうが在庫ストック用に安いガレージを借りた。バンドの機材なども嵩張るので使っていないアンプなどはそこに置いてある。ガレージにある大量の中古レコードの整理はまだ途中で、まずは棚から作らないといけない。どちらかといえば肉体労働だ。どんな小売店もそうだと思うが、店の見えている部分より見えていない部分の仕事の方が大変なのだろう。
そういえば少し前にTHROAT RECORDSでリリースしたCDで流通を業務委託している作品、流通会社の持っている倉庫にある過剰在庫を処分するか買い取るかどっちかしてくれという連絡があった。大手の流通会社なので倉庫の規模も大きいし在庫も増えると何かと困るのだろう、在庫を管理しておくだけでも人件費や家賃がかかる。処分するにも買い取るにもどのみち料金が発生するとのこと、いくら過剰だとしても捨てるというのはさすがに嫌なので全て買い取らせてもらった。それが昨日届いたが、店にも置けるスペースがギリギリ確保出来るかどうかという感じ。思ったよりは少なかったので気長に販売していけたらと思う。急いで売らないといけない、売れなければ処分するというのは自分の思う音楽の売り方ではない。いろんなやり方があっていいとは思うがやはり自分の考え方は既存の合理化されたシステムと相性は悪いらしい。これからどうやって自分達の作った音楽を売っていくか、時間が過ぎていくと共に課題も増えていく。自分のやり方、自分の価値観、自分のペースを人々に理解してもらうには時間がかかりそうで、地道にやるしかない。

ジャケットも破れスリ傷だらけになった、おそらく今までに何度も繰り返し聴かれてきた古いドーナツ盤をターンテーブルに乗せながら考えていた。

捨てられる新品のCDも高値で取引される中古のレコードも中に入っているのは同じ音楽なのにな。