大Z祭を終えて

昨日渋谷O-EASTにて行われたZ主催「大Z祭」会場にお越しいただいた皆さん、関係者各位ありがとうございました。お疲れ様でした。

当日は早朝奈良出発という事もあり、イベント終了後の打ち上げ(あったのかどうかわかりませんが…)不参加から宿泊先へすぐに移動〜現在ホテルの部屋にいます。疲労と睡眠不足から即爆睡かと思ったんですが、イベントがイベントだっただけに色々と考える事が多く、眠りも浅かったようでなんか目が覚めてしまいました。

鉄は熱いうちに打てとかいう事もあると思うので、上手くまとまらないにしても今のうちに日記に記しておこうかと思います。

今はもうかつて存在したと説明しないといけなくなってしまった事が、単に悲しい、とか惜しい、とかそういうシンプルに言葉で言い表せないのがなんとももどかしいですが、長かったバンドの歴史に終止符を打つべくそのZ主催にて行われたイベント、大Z祭。
昨夜は全国から彼らにとって縁のあるバンドが大勢集まりました。出演者に限らず会場を訪れた方々の顔ぶれからも強く伝わってきましたが、本当に仲間や人との繋がり、シーンや背景などを大切に活動を続けてきたバンドであったと思います。おそらく会場には足を運べなかった方々、各地から想いを馳せていた人も沢山いたんではないでしょうか。
目に見える見えない関わらず、人の想いの集う濃く熱い時間だったと思います。

バンドの活動の歴史や、解散に至る経緯等については自分の主観が混じるとややこしくなるので、このメンバーインタビューを読んでもらえたらと思います。


http://con-trast.jp/dialogue/57



ここからは自分の個人的な話です。



1つバンドという物語が終わる、Z解散について。

自分もバンドをやっている、今更改めて言う事でも考える事でもないのかもしれませんが、バンドをやっています。始まりは人との交わりというか、結成の契りというものが形式張ったものではないにせよあったわけです。どんなバンドでもそうだと思いますが(バンドという形態でないにしても)、「何か一緒にやろうよ」的な切っ掛けがありました。
よく話題にされる話かと思いますが、バンドというのは不思議なもので、しばらく続けていると友達でもなく、会社でもなく、家族でも恋人でもない何かよくわからない人間関係が漠然と出来上ってきます。その不定形の容れ物の中にメンバー共通の価値観を見出し表現する、音楽としてであったり、それだけではないもっと思想的なものだったりもします。
芸術であり、コミュニケーションの手段であり、仕事であり、その表現もその時々で変化を続け、ただでさえよくわからない人間関係をより複雑にしていきます。続ければ続けるほど。
要は非常に面倒くさい集団だということです。

何故そんな面倒くさい集団に属し続けているのか、自分でもたまにわからなく事があり…たまにというかよくあります。
音楽が好きだとか、バンドが好きだとか、そういうものが大前提としてあるにしても、このバンドという集合には常に頭を悩まされて続けています(もちろん現在進行形で)。

ただ1つ確信を持って言えるのは、バンドとは本当に厄介なもので、そして同時にとても愛おしいものでもあるということ。

その集合の中で、自分は他人とは違うという事と俺もお前も一緒なんだという事、その2つの全くベクトルの違う想いを同時に推し進め、認め、結実させる。その摩擦や衝突から、誰も想像出来ないようなエネルギーを生み出すことが出来る唯一の集合が、自分にとってバンドの定義といったところでしょうか。

Zは本当にかっこ良いバンドでした。
かっこ良いと一言で表すと語弊がある、ものすごくかっこ悪い、アンバランスで、歪で、極端で、ドロドロしたものも、全て内包したかっこ良さとでも言うといいんでしょうか、上手く言えませんが。兎に角奇跡の様に、それこそ最終的に絶塔という高くそびえ立つ塔の上に乗っかったヤジロベエ的な(言ってて自分でも何言ってるのかわからなくなってきましたが…)そんな存在だったように思います。

魚頭、根本両氏の関係や元メンバーの存在。その後加入した聡と築き上げたもの。前身バンドやそれぞれ個人の活動の事も含めると昨日のステージに辿り着くのには気の遠くなるような、人と人との交わりがあったと思います。

Zの最後になったステージを観て、もちろんメンバーはその歴史、過程を説明するつもりで演奏していたわけではないと思いますが、丁寧に愛情の込もった、その物語の細部までもが伝わってくる、素晴らしい演奏だったと思います。

自分は自分のバンドLOSTAGEとして、主催レーベルTHROAT RECORDSとして、彼らのその長かった歴史にほんの少しでも関わる事が出来、そしてそこで得たものを自分やバンドの活動に還元する事が出来たことを誇りに思っています。

メンバーそれぞれの今後の活動に期待、とかなんとか月並みな文句しか締めくくる言葉が出てきませんが、おそらくそれは昨日Zの大Z祭、彼らの勇姿を目に焼き付けに来たあの場にいた人達も、全国から想いを馳せつつたまたまあの場にいなかった人達も、皆がそう期待していることと思います。

魚頭さんは終演後「ちょっとゆっくりするわ」とかなんとか言ってましたが、きっと高めのハードルを越えてくる。そういう人達だと思ってます。

1つ楽しかった事が終わってしまったけど、1つ楽しみが増えた。そんな感じです。

日記書いたらちょっとスッキリして、眠いです。



Z


お疲れ様でした。
ありがとうございました。