ビーバップハイスクールは最高

アルバムの発売まであと2週間、だんだん緊張してきました。

毎回発売前はこのなんともいえない緊張というか、不安と期待の入り混じった複雑な心境です。今回のアルバム、前回ミニアルバム「脳にはビート、眠りには愛を」からの流れで凄くオープンな気持ちで作れた作品になったと思います。今までやったことのなかったやり方なんかも試せたし、制作の過程に関してとても充実した内容になったと思ってます。
これが作品としてどうなのかはこれが世に出回ってどこかで誰かに聴かれて初めて完結するものだと思いますので(そういう考え方自体ここ何年かで気付いた事なんですが)後は発売を待つのみ。

このブログも始めてからもうかれこれ3年か4年か経ちますが、アルバム1枚、もっと言えば曲1曲に比べたら本当にどうでもいいような内容で、音楽だけあればそれでいいんじゃないかと思うこともあります。ただこういう所でしか発信できない情報もあるわけでこの場をきっかけにlostageというバンドやそれを取り巻く環境、シーンのようなものをまた別の角度から見たり聴いたりするきっかけになればと思ってます。(マメにチェックしてコメントなんか書いてくれる方達にはいつも感謝してます、実際にそれで励まされたり渇を入れられる事も多々あります。いつもレスポンス無しですいません。)

地元奈良を拠点に活動してきて今年で8年目に突入したわけですがその間自主制作のCD-Rから始まって、2007年のメジャーデビュー、メンバーの脱退、新メンバー中野の加入、その他…いろいろありましたがまだなんとかlostageとして活動出来てます、自分達に関わった人(自分の好きな人も嫌いな人も)全ての人に感謝してます。個人的にはバンドとして精神面は今が一番充実していて、健康的というか音楽に対して意欲的になれているとも思います。(他のメンバーはわかりませんが、多分皆同じだとは思います…笑)どれくらい地元の音楽シーンに貢献できたのか、地元に限らず地方都市拠点に何かを発信する人達の刺激になることが出来たのか自分ではわかりませんが、このやり方を今のところ変えるつもりもなく自分達のペースで時間がかかってもアクションを起こしていければと。
ここ何年かでほんの少しですが自分の周りの本当に近くにいる仲間の考え方や在り方に変化が起こっているような気がしていて、それが自分や自分の参加するバンドlostageがきっかけになっているかどうかという問題ではなく、その変化の兆しとこれからに何か希望のようなものを少しでも感じる事が出来るのが今現在もlostageを続けてやっている大きな理由のひとつです。

先日何かの雑誌でコーネリアスの小山田さんのインタビューでCDの売り上げや音楽業界全体の不振の話を読みました(ちょっとうろ覚えですが)グラミー賞にノミネートされるような人が言ってるとやっぱり説得力があります、そうじゃなくても実体験としてそれは痛感しているんですが。
ちょうど今音楽を聴くためのメディアの変換期というかレコード→カセットテープ→CDときてもう物質として音楽が扱われなくなりつつあると思うんですが、でもアナログのレコードはこれから先なくなることは多分ないし超アナログか超デジタルかのどちらか、その二極化がさらに進むと思われます。言い換えれば在るか無いかのどちらかというか。レディオヘッドなんかはその辺り早い段階で大きく展開、実践していましたが手の込んだアナログでのリリースかネットワークでの配信かのどちらか、物質として存在するかしないかのどちらか、選ぶのはもちろん聴き手の自由です。カセットテープやMDをもうほとんど巷で見かけなくなった今(自分が小学生の頃はCDが出回り始めた頃で、カセットはまだ主流でした。)10代をカセットからCD、20代をCDからデータでとメディアを渡り歩いてきた自分としては複雑な思いです。レコーディングや音源再生機器の技術的な進歩でおそらく音の質はこれからもどんどん向上されて実質アナログとデジタルの音の差異は人間の聴覚の範囲外での出来事になっていくと思いますし、論点は純粋に物質として存在するかしないかだけになってくるはずです。これから。今はまだそうじゃないですが。
そんな中で音楽と人や社会との関わり方(←なんか大袈裟な言い方ですね…笑)はこれからどうなっていくのかと、そういうことにやっぱり不安はあります、期待ももちろんありますが(たとえばiPodの登場なんかはほんとに画期的だったし、携帯で曲単位で音楽を手に入れられるようになったりとか今まで考えられなかったですから)。ただその移り変わりの中間にいた俺らとかその世代の人達はやっぱり不安のほうが大きいんじゃないでしょうか。「アナログのレコードしか買わないし、新しいバンドの新譜や最近の音楽なんか興味ないよ」という方や「携帯電話でオリコンのチャート1位から順番にダウンロードして飽きたらメモリーから消去してまた新しいの買うから」という方には全く関係のないことかもしれません。でもそうじゃない俺達は俺達のやり方を見つけないといけません、だから今はサボったらだめな時期だと思うんですね。そうじゃない俺達とか言いましたがどこからどこまでがそうじゃない俺達なんだという話で、その辺はものすごく曖昧な線引きしかできませんけど…基準なんてあってないようなもんですから。
我々lostageにとってこれからの活動方針を決定していく上で今年2009年は重要な1年になると思います、具体的にレコード会社との契約の話やメンバー個々の生活の事なんかもこれからlostageとして音楽を作っていくうえで大いに関係してきます。お金は必要だけれど重要じゃないと誰かの名台詞がありましたが、俺もそう思っています。ただそのバランスが俺の思っていたような詰めの甘いものではなかったということ。周りを良く見渡して、その中にいる自分の在り方をもう一度よく考える時がきたのかもしれません。

音楽にお金を払うという行為自体を見直すべきタイミングはおそらく今であり、それについて作る人、売る人、買う人、それぞれが考えるべきタイミングが今です。現状未完成のシステムに皆が迷いながらでもまだ諦めずに投資している段階でしょうから。「未来は僕らの手の中」です。

最終的にお金の話になってしまったみたいでアレですが…、CD買ってくれとかそういうことではなくて(会社には悪いけど実際たくさん売れるようなCDでもないし)聴くか聴かないか、聴きたいと思うかどうか、感動できるかどうか、それだけです。人は便利なものに目移りし当然ではありますが、それを求めます。物として不要なものは淘汰されて然るべきだと思います。
結局はその人の中に残るかどうか、燃えカスでもなんでもいいです。在るか無いかです。今はもうそれしか考えてません。そのためならずっとバイトしながらでも続けたいと思ってます。


たまには真面目にと思ったらどえらく長い日記になってしまいました。



読んでくれてどうもありがとう。