恩師

今日は朝からアルバイト。
普段は漫画喫茶で受付とか掃除とかその他雑用を主な仕事にしてるんですが…なにせ奈良の田舎の話なもんで地元にいると知り合いとか顔見知りに偶然会ったりするんです。会うというか受付、接客も仕事なのでお客さんで知ってる顔の人がたまたま来るというくらいの事ですけど。中学の時の同級生とかね…。
俺中学のとき陸上部に入ってたんです(別に走るのが好きとか得意とかそういう感じでもなかったけど、最初に仲良くなったクラスメートが陸上部に入るということで…友達少なかったからね)そのときの顧問でクラスの担任でもあった先生(今も陸上部顧問なのかは知りませんけど…)が今朝俺の働く漫画喫茶に来店!むこうは絶対俺の顔とか名前とか忘れてると思うし、俺も最初全然気付かんかった。そもそもこんな時間に中学の先生が漫画喫茶来るのか…と思ってたらもう夏休みなってるんですよね、よく考えたら。朝から「タッチ」読んでましたね、その人。たしか教育実習生の女に手を出して、その後いつのまにか美術の先生と結婚してましたね、その人。そう考えたらほんとに何の変哲もない普通の男ですよね…俺は学校の先生とか講師とかそういう人に何か教えるような職業の人は基本的にすごく苦手だし(もうこの際偏見でもなんでもいいですが)恩師と呼べるような人は一人もいない、いなくてよかったとすら思います。
小学校の低学年くらいの頃は「先生」というのは完璧な、非の打ち所のない神様のような人間だけがなれるものだと思っていました(他にも「親」とかね、小さい頃は親や先生に完璧な大人像みたいなのを勝手に求めていたような気がします)。当たり前ですけどそんな人いませんしね。それに気付いたのがたしか小学校5年生か6年生のときに(同時期に親に対しても「あ、なんか違う…」みたいな残念な気持ちになった出来事があったのですけど)体育の授業中先生に理由なく思い切り蹴飛ばされたときですね、あの時はマジで意味がまったくわからなかったですね、混乱しました。「謝れ」と言われて意味もわからず泣きながら謝ってました、よく覚えてます。理解しようとしたけど理解できなかったんですね。そいつの名前もフルネームではっきり記憶してます。今もしそいつに会ったら思い切り蹴り入れたろかと思います。それぐらいショックな出来事でしたね、盲目的に先生を立派な人間だと思い込んでましたから。何千何万という数の先生といわれる職業の人がいるわけですからそりゃ駄目な奴もいるし立派な人もいるでしょうし運悪く俺はそういう立派な先生に当たらなかったというだけで、心から尊敬できる恩師がいる人は実際羨ましいと思います。ただ、肩書きとか職業とかはっきり言うてなんの保証にもならないですし、政治家でも教祖でも先生でもボランティアスタッフでもフリーターでもネット難民でもミュージシャンでもなんでもいいけど本当にクズみたいな奴はいっぱいいますよね。
先入観やら何やらを完全にシャットアウトして自分だけの眼で人の(モノの)本質を見抜く事ができたら本当に強い武器になるんじゃないかと俺は思います俺はね。何をもって本質かってのもよくわからんのですけどね。なんかね…どうでも良い事なんです、どうでも良いけどさ…「朝っぱらから漫画喫茶で「タッチ」を読んでるこの人から俺は一体何を学んだのか…?」考えていたらどうにもやりきれない残念な気持ちになったのです。そしてその漫画喫茶で受付をやってる俺もそりゃ残念な奴だと思うんです。15年前そいつと俺は先生と生徒だった、今は…客と漫画喫茶店員。残念ですよ、何か残念な関係ですよ。それに気付いたのは俺だけですよ、そいつは気付いてない…。別にいいですよ、休みの日に朝から「タッチ」が読みたくなっても、あだち充は何も悪くないですよ…素晴らしい先生じゃないか人間味があって。
ただ俺が学校も好きじゃないし先生も好きじゃない、それだけの事なんですよ。何が言いたいのか全然わからんね…俺もうすぐ28歳でどっからどう見てもいい大人ですけど人に教えるような事はまだ何ひとつ手に入れてないですよ、50歳になっても80歳になっても手に入るかどうかわからないですよ。今まで俺が出会った「先生」達は一体俺に何を教えようと思っていたのか、何か教える事があったのか、今思えばよくわからないですね…先生は大変だわ…ほんとに。