弾き語りツアーを終えて KiliKiliVillaと吉里吉里農園 安孫子さんのこと

西永福・八王子・秩父・横浜と4日間の弾き語りツアーを終えて奈良に帰ってきた。

各地の共演者やライブハウスとそこで働く人達、ツアーに帯同してもらったリンキーディンク小牟田氏とアラヤジャパンには本当にお世話になった。協力してくれた皆と各地で来場してくれたお客さん達のお陰で、久しぶりにツアーらしいツアーが出来た気がする。本当にありがたかった。

非日常が続いたせいか滅茶苦茶に疲れたし、炎天下の元で移動が多かったせいか日焼けもしている。ツアー中に寄ったラーメン屋の親父さんに「今日はこの辺で現場ですかい?」と何故か声をかけられる。「現場と現場の移動中です」と答え、我々はツアーを続けたのだ。

ツアー中に突然の梅雨明けがあった、あきらかな異常気象。相変わらずこの世界は無茶苦茶で、感染症も収束しないし戦争も終わらない、なんでもかんでも値上がりし、円安も止まらない。そしてもうすぐ選挙があり、我々はなけなしの一票を手に投票に行くのだが、暮らしはなかなか良くならない。それでも諦めて今すぐ死んでしまうわけにもいかないので、どうにかこうにか生きている。

中二病を拗らせた中年の私はたまに思う、なんのために生きているのか。考えても答えはない、知らんよそんなことは。生まれてきたから生きているだけである。目的があってもなくてもいい、ただ生きている。生きるために生きているのだから、それでいい。そう思わないとやっていられないだろう。

 

弾き語りツアー3日目、秩父のladderladderで元GOING STEADY・元銀杏BOYZのベーシストであり現在は音楽レーベルKiliKiliVillaと吉里吉里農園を主宰している安孫子さんに会った。キュウリの収穫が忙しい時期らしく、早朝からの仕事の合間に群馬から埼玉秩父までTHE GUAYSのキャプテンと一緒に車を走らせて顔を見せに来てくれていたのだ(キャプテンは今繁忙期の農園を東京から半住み込みで手伝いに行っているらしい)。

秩父ladderladderにて安孫子さんと俺、THE GUAYS キャプテン撮影

 

ご存じの方もいると思うが、先日安孫子さんからクラウドファンディングの告知があり彼は今サポートを乞うている。

 

LOSTAGEが昔小文字表記で活動していた頃、UK.PROJECTという東京のレーベルから作品をリリースしていた。先日、その時のレーベル担当者であった斎藤正樹氏から久しぶりに連絡がありそのメールには下記のサイトのURLが添えられてあった(斎藤氏は銀杏BOYZの担当者でもあり、安孫子さん達とlostageは共通の担当者ということで当時から顔見知りだった)。

吉里吉里農園応援プロジェクト - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

内容に目を通したところ、どうもかなり困っているようである。これで何かを購入し友人としてサポートするのは簡単ではあるが、そもそもクラウドファンディングが苦手である。その上性格が捻じ曲がってしまっている、手数料など払いたくない。それでも何か力になりたいという気持ちがあり、安孫子さんに連絡を入れた。それがきっかけとなり埼玉秩父で久しぶりに会うことが出来たというわけだ。

 

安孫子さんにはlostageが東京でライブをやり始めた2000年代の頭に大変お世話になった。金の無い我々に泊まるところを提供してくれたり、何も知らずに東京にやってきた田舎者の我々にバンドや音楽のいろはを教えてくれた。飲みにもいったし、ライブも一緒にやって、ここで一言では説明出来ない色々なものをたくさんもらった。

銀杏BOYZを脱退してからはしばらく会うことがなくなって疎遠になっていたが、音楽レーベルKiliKiliVillaを始動したタイミングでまた各地の現場で会う機会が増えた。彼はやはり音楽を愛しているのだ。レーベルの始動は音楽と共に生活するという生き方に腹を括った安孫子さんの宣言のようで、それは同じように生活している自分にとっては嬉しい出来事だった。

 

正直言うと上記のクラウドファンディングにピンときていない人もいるのではないかと思っている。農園の運営支援と音楽レーベルの活動は関係ないといえば関係がない。そっちの不具合を音楽レーベルの運営で調整するのは公私混同といえなくもない。関わったレーベルのバンドも関係ないといえば関係ないのかもしれないし、もっと言うとそれらのバンドのお客さん達には全く関係のないことにも思える。今後の農園がレーベルとどのように関わっていくのかはわからないが、現時点での繋がりが見えにくくなっている。これから何か新しいことをやろうとしているのだから当たり前かもしれないが、わかれと言われても実績がないとわからないだろう。自分でなんとかしろよと言われても仕方がない。

ただ自分がこの事態を放っておけないと感じるのは、多分自分も同じように暮らしているから。二足の草鞋を上手に履けない、音楽が好きでそれにしがみついて生きているぐちゃぐちゃになってしまった生活。それが自分と同じだからだと思うのである。他人事ではない。

支援というよりは投資に近い。安孫子さんのいない日本の音楽は楽しくなさそうだから。彼がまた現場を面白くしてくれる、それが楽しみだから俺達は吉里吉里農園とKiliKiliVillaに投資する。そんな感覚だ。あの男にはまだこれからやってもらわないといけないことがたくさんある。

 

我々に出来ることがあれば協力したい。恩義があり借りがあるのだ。拓人と岩城と相談し3人で満場一致、やはり我々にやれることといえばライブしかない。3人とも頭は悪いがこういう時は話が早い。

困っている仲間がいたら助け合う、出来ればそのように生きていきたい。その方法が何であれ、思ったことをやればいい。今月でLOSTAGEのライブ活動はストップし、アルバムの制作期間に入る宣言は一旦撤回させてもらうことにして、新たに来月の7月22日金曜日に我々の地元奈良NEVERLANDにてイベントを開催させてもらう運びとなった。これが我々のやり方だ。

 

色々考えたがこういう日だからこそ何か面白いことが起きてほしいと思い、今回のイベントは共演者を募らせてもらう、初の試みだ。安孫子さんの関わった音楽や活動に影響を受けたとか、とにかくライブをやって何か伝えたいとか、面白そうだからとか、応募動機はなんでもいい。俺達と同じような気持ちでいる人達がもしこの辺りにいたら、出演者でもお客さんでも誰でもいい、是非当日集まってもらえればと思う。長々と書いてしまったが、支援云々は置いといてただ音楽を楽しみたい人達が自由に集まってくれればそれでいい。安孫子さんも多分そう思っているはず。誰からも応募がなければ、LOSTAGEワンマンになってしまうので何卒よろしく。

 

詳細下記。

 





 

2022.07.22(FRI)

NARA NEVERLAND

LOSTAGE and FRIENDS

OPEN 18:30 - START 19:00

DOOR 2500 yen + 1DRINK

当日券のみ、入場は来た人から順に

 

共演者募集中

ex-GOING STEADY / ex-銀杏BOYZのベーシスト、 現在音楽レーベルKiliKiliVillaと吉里吉里農園を主宰する安孫子真哉氏に借りのある方、恩義のある方、影響を受けた方、支援希望の方。

募集期間 : 2022.07.14 20:00まで(7.17出演者発表)

 

バンド、弾き語り、DJ、漫才、演劇、詩の朗読など、表現方法は問いませんので、 簡単なプロフィールと出演希望理由を下記メールアドレスまで。

※当日のリハーサルは14時頃集合〜、本番出演持ち時間は30分程度となります。

※応募多数の場合は抽選となります。

※全出演者ノルマ、出演料はかかりませんが、ギャラも出ません。

※会場使用料を差し引いた利益を吉里吉里農園に全額寄付します。 

 

info : throatrecords@gmail.com