2月

奈良、激寒いです。
最近ちょっとあたたかい日が続いてたので油断してたんですが、急に寒くなりやがって…肌を刺すような寒さですね。客商売は2月8月が調子悪いって聞きますが、寒過ぎたり暑過ぎたりだからなんでしょうか。寒い日は店暇です。暇といっても来客がないだけで、やる事はあるので暇ではないんですが。

ちょっと話したい事というか、書いておきたい事があって。

今地元奈良でレコードショップやりながらバンドの事とかレーベルの事とかやってて、ライブとかその他仕事で出たりしてるとき以外はいつも店にいるんですけど、1人でやってるから当たり前なんですけど。

1年と少し前店をオープンしてからここに(今店でBlog書いてるんですけど)しょっちゅう来るようになった友達がおって、10代のバンドをライブハウスでやり始めた頃から知ってる友達やったんですけど、特別仲良かったとかでもなく、お互い奈良でバンドやってて知り合って、昔は対バンとかもしたし打ち上げで飲んだりとか、でも個人的に連絡取って飲みにいったりとかそんなんはなかったくらいの付き合いで。

それが店開けてから、近くに住んでた事もあってよく来てくれるようになって、ほとんど毎日のように店にきて別に何か買うとかでもない時も多かったし、ただ来たら一緒にコーヒー淹れて飲んだり、持って来てくれた差し入れ食べたり、俺仕事たまってたら、そいつは本読んだり音楽聴いたりしてて、俺は普通に仕事してるとか。そんな感じで、なんでそういう風になったのかもわからないんだけれども、いつもいる人みたいな感じでいつもいたわけ。仕事もほとんどしてなかったし、なんか使い道のない時間やったんやと思う。

そいつは10代の時からとにかく俺の思ってる典型的な不良のイメージを具現化したような奴で、なんかあったら喧嘩して誰かシバいたとか、何かヤバいもんに手を出したとか、事件に巻き込まれたとか、そういう話題というか噂とかそんなんばっかの奴で、でもやってたバンドがカッコ良かったから、なんか凄い奴やなと昔は思っててオーラがあったというか、でもあんまり関わったら怖いなとも思ってて、そういう奴がなんでか俺の店にいつもおったわけです。

最近は性格も多分柔らかくなって、といっても俺の印象やけど、悪い奴の棘みたいなのももうなくなったんか意識して隠してたのか、わからないけど普通に話してて面白い奴で、仕事終わってからたまに飲みにいったり、ライブ誘ったら来てくれたり、お互いのスタジオの練習ラフ録りしたやつ聴かせ合って感想を述べあったりして、なんかよくわからない関係というかそういう感じが1年くらい続いてた。

そいつが先月31日の夜、心不全で亡くなった。急に。

さいごに会ったのは多分29日か28日か、店にきていつもと同じようにコーヒー飲んで話して帰っていった。死ぬとか思ってなかった。急に死んだ。

心不全ていう死因も、どう死んでもそう言われそうでよくわからんけど。なんで死んだかとか、それを今更ごちゃごちゃほじくり返すことでもないかもしれんけど。身体弱ってたんやと思う。精神もやろうけど。
あいつが死ぬ半年くらい前に同じように死んだ友達がいて。あいつらなんか悪い事やってて、合法とか処方箋とか、非合法のかどうかとか俺は細かい事わからんけど、そんな薬物の話もよくしてて、先に死んだ友達は既に身体悪くしてたから、死ぬでそんなんやってたらって冗談混じりに話してたんやけど、そいつほんまに死んでもうて。その後を追うように半年後亡くなった。

店で会ってただけやから、その人の全てをもちろん知ってるわけではない。あいつがいなくなったからといって俺の日常から何かが欠けるわけでもない。ただ毎日淹れてるコーヒーを1人で飲む時間がちょと長くなったくらいで。

でも今思うのは、今までは近くにいたのにもう会えない人がいるということをわかるというのはすごくエネルギーの要ることで、それは自分の日常とはまったく別の部分で、何か大きなものを失うということだということ。彼の訃報を聞いても実感が全くなく、ただ悲しくなるのを待っている今、そんなことを考えた。

合法、非合法関わらず、薬局で処方される薬品であっても、それを快楽や現実逃避の為に服用する事。それが一時的なものであろうが、それに依存した生活を送っていようが、関係なく、今すぐやめてほしい。やめようと思ってほしい、そのために努力してほしい。サポートが必要なら誰かに相談してほしい。

自分が突然死んだり、消えてしまうなんて思ってない。或はもう死んでもいい、死んでしまいたいと思ってるかもしれない。

死んだら悲しいわ、俺は。