Calvin Keys / Shawn-Neeq

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60年代の終わり〜70年代頭に米カリフォルニアで産声を上げたスピリチュアル・ジャズの名門Balck Jazz Recordsより71年リリースのギタリストCalvin Keysファーストアルバム。レーベルを通してリリース作品総数はそう多くはないものの、統一感のあるジャケットのアートワークからも伺える一本筋の通ったリリース作品群の内容の濃さは折り紙付き。

この人のことを知ったのは結構最近で(何きっかけだったかは忘れた)タイミング良くP-VINEから再発されていた国内盤を購入、レコードで自分ちのレコード棚に置いておきたい一枚。オリジナルとかにあまり拘る方ではないが、機会があったら聴き比べたりもしてみたい。

スピリチュアル過ぎず、黒過ぎず、それでいて中途半端な印象はない。収録曲数とアルバムのトータル収録時間、5曲で36分くらいっていうのがこの手の作品にはいい塩梅なのか。JAZZも細分化されていて、聴く人によってその解釈が違ったりするものなのかもしれないが、そんなにJAZZに詳しくなくてもリラックスして聴けるお気に入り。Jeff ParkerのForfolksやKim OkiのStrange, true beautyと一緒によく聴いている、酒飲みながら。

 

 

昔はこうやって好きな音楽とか、読んだ本とか、観た映画とか、ブログに一生懸命書き残していた。何のためにやっていたのかはわからない。TwitterInstagramや、そういう類のSNSがまだなかった頃の話なので、それで誰かと繋がったり共通の話題を作ろうとしていたのか、或いは承認欲求や自己顕示欲を満たすためだったのか。とにかく何かやらないと自分の存在に気付いてもらえないのではないかという焦りがあった、今も無くなったわけではないが。

自分の言葉を使ってどこかの誰かに語りかける一連の作業。SNSを活用して情報収集するようになってから、何となくやらなくなってしまった、遣り甲斐というか手応えを感じなくなってしまった。手応えどころか情報の洪水に何もかも流されてしまい、溺れている。気づけば何もない海にプカプカと浮かんでいる。インターネットの大海原で漂流してしまったみたいに。

瓶詰めの手紙は、何処へ。ロマンチックである。そういうのも悪くない。