2020年11月20日、今日でこの店THROAT RECORDSの実店舗を営業し始めて丸8年が経った。
朝から先日のライブの後そのままになっていた機材車の荷物をおろして、地元桜井の方にある自動車工場へ。今年はコロナの影響でツアーがほぼキャンセル状態だったので機材車の稼働は例年よりも少なかったが、車検の時期はいつもと同じようにやってくる。なんとなく損した気分だったが、来年はいつもより動かすことを見据えての先行投資だと思うことにしよう。
その後少し営業開始時間から遅れて店を開ける。本来なら周年のイベントを催したりするタイミングなのかもしれないがコロナ禍ということもあり(今までそれらしきことをやってこなかったという流れもあるが)特に何事もなく、ただただいつも通り店の開店準備だ。
店の前の道をいつもより少し入念に掃除して、道から自分の店を眺めてみたりする。街路樹の銀杏の落ち葉が増えるこの季節、あれからもう8年も経ったのかと感傷に浸っていた。
たまに来店客から「このお店はいつからやっているのですか?」と聞かれることがある。「もうすぐ8年になります」答えると大抵驚かれるが、おそらく営業が不定期でよく閉まっているからだろう。こんなやり方でよく8年も続いていると我ながら呆れもするが、それでも今日で丸8年である。
周年云々に関わらず日々いつも思うことだが、この店が続けられているのはバンドのメンバーや家族や友人や近隣に暮らす街の人達と、日頃から気にしてくれているお客さん達のおかげである。おかげさまである。本当にありがたい。ありがとうございます。
店にいるとたまに取材を受けたり、若者から相談を受けたりすることもある。一応自分に出来る精一杯の受け答えはさせてもらっているが、正直自分が一番何もわかっていない。なぜこんな感じで今まで生きてこられたかもわからない。これが新しい今の時代の働き方だ、全くそんなことを思うこともない。暇な日は不安で心細い。明日突然無くなっていてもおかしくない、無茶苦茶な店だ。
この店にもし人格があるとしたら。8年という時間を共に過ごしたこの店に「おめでとう、ありがとう」をまず店主である自分自身から伝えたい。この店があったから学んだことや出会った人達がたくさんいる。
ふらりと入り口から吸い込まれてくるかもしれない来店客を待ちながら、コーヒーを淹れよう。カフェインの過剰摂取は身体に毒だ。薄めのコーヒーをちびちびやりながら、キーボードを叩いている。
THROAT RECORDS 8周年
おめでとう
ありがとう
今後とも皆さま、THROAT RECORDSを何卒よろしくお願いします。
奈良市小川町14-1グランテール1F
THROAT RECORDS店主
五味岳久