LOSTAGEの新しいアルバム

どうもご無沙汰です。LOSTAGEベースと歌とダサい帽子担当、THROAT RECORDS主宰の五味兄です。

ゴールデンウィークの連休はみなさんいかがお過ごしでしたでしょうか。俺は毎日仕事でした、しんどかったです笑、何がゴールデンだよって感じで。好きなことを仕事にさせてもらってるんだから文句いっちゃいけねぇって思いながら、年々労働意欲の低下と肉体の衰え、あと酒の飲み過ぎ、そういうのでズルリズルリと生きているような気がしてきました、最近。レコードショップも気づけばもうすぐ5年になります、時間経つの早すぎるよ。よく続いてるなこの店と、毎日思います。たまにご来店いただくお客様たちにはホント感謝しかありません、毎日のように店に来てコーヒーだけタダで飲んで帰る人達もいつもありがとうございます。

そしてこっから本題ですが、我々LOSTAGEここ何年かかなりマイペースな活動でやってきてますが、やっとアルバム出ます。出す出す詐欺かというくらい前から出すっていうてたような気がするけど、今回はホントに出します。前のアルバム[Guitar]が2014年の夏なんで3年くらいぶりですね、結構経ってますよね。曲は前のリリース終わってからずっと作ってたんですけど、リリースの企画が頓挫したりそもそもリリースのやり方から見直さないといけないなと、店でCDとかレコードとか売り始めていろいろ考えるようになって、考えながらやってたら時間かかってしまいました、すみません。

今度出すアルバムが今までと何が違うのかっていう話をちょっとまとめておいたほうがいいかなと思って今ブログ書いてます。
要点を簡単にまとめると以下

  • 作品の流通を外部に委託しない
  • JASRACその他著作権管理団体に著作権管理を委託しない
  • 自分のやってる店以外の小売店で販売しない
  • 配信でデータ販売しない
  • 宣伝広告にお金を使わない
  • 発売前のサンプル配布を行わない
  • MVを作らない

みたいな感じです。これだけみるとどうやって売るのって感じしますね、我ながら頭おかしいのかもしれないなとちょっと思いました今。
そしたらどこでこれ買えるのよっていうことになると思うんですが、LOSTAGEのライブ会場と奈良県奈良市にあるTHROAT RECORDSの実店舗とそのオンラインショップ、この3つだけですね、そこで買えます。あとはそのうち中古で出回るかもしれないんで、ヤフオクとか中古レコード屋とかで買えるようになるかもしれません。もしかしたら定価より高く売られたりするかもしれないですが、先に言っておくとLOSTAGEが続いてる限りは廃盤になることはないので先に挙げた3つの購入方法でずっと定価で購入いただけるようにしておきます。多分2500円か2700円かそのくらいになると思います。所謂数量限定商品という感じではないです、ただ買えるところが3つしかないっていうだけで。

なんでこの売り方にするのかっていうのを一個づつ書いてみます。

まず

  • 作品の流通を外部に委託しない

なんでかっていうと一番デカイのはお金の問題ですね、流通の会社によると思うんですがヘタすると売ってる値段の半分くらい支払わないといけないので流通使って5000枚売るのと自力で2500枚売るのと粗利益はあんま変わらないんですね、アホらしいなと。流通に乗せてもらうメリットっていうのももちろんあるんですが、それにしても我々規模でそのパーセンテージだと無理あるなやっぱっていうのが何年かレーベルやってみて実感したので、やめてみます。当たり前ですけど然るべきルートで販売されないとオリコンとかのランキングにも絶対に食い込みません。何位とか決められんの本当ムカつきますよね笑。

JASRACに関しては謎が多いというかグレーな部分が結構ある気がしてるんですが…一応JASRACとかその他の著作権管理団体がどういう機関なのかっていうのはなんとなく調べたり聞いたりしてわかってるつもりではいて。今までのアルバムは全部JASRACに楽曲登録されてるんで、それが登録されないと一体どういう不都合があるのかっていうのは実際にそこをスルーしてみないとわからないので、やめてみます。それで発売した後に何かヤバいことが起きたらその時、今後どうするか考えようと思います。正直学校教育の現場から著作権使用料徴収っていうニュース見た時はしょうもないことすんなやって思いました。このアルバムが50万枚くらい売れてしまったらヤバいことが起きるかもしれんね。音楽の著作権て何から何が守られるものなのか、そもそも守られたり侵害されたりしてるのか、今のネット社会でコントロール可能なのかっていうのは?ばっかりです。

その次

  • 自分のやってる店以外の小売店で販売しない

これは自分で店やってるのでそこで売ればいいかっていうだけです。店やってなかったらどこかに卸させてもらうか、ライブ会場だけで売るとか、通販だけとかそういう感じになると思うけど。せっかく店やってるし、そこに本人いるしそこで売るのが一番スムーズっていうか。経費もかからないし。なので小売店への卸がありません。お世話になっているレコードショップとかたくさんあるんですが、小売店は自分の店でしか売っていない商品ていうのが一番の武器になるっていうのは多分みなさんご存知だと思うので、この感じわかってくれるんじゃないかなと思っています。

  • 配信でデータ販売しない

これに関しては時代ですね、時代と自分のやろうと思っていることの距離感があんまりまだ掴めていないので、一応やめておきます。どっちにしても発売されたCDとかレコードはデータがコピーされてインターネット上に違法合法かかわらず出回ると思います。発売後しばらくしたらYouTubeとかで無料で聴けるようになると思うし、違法サイトからダウンロードも出来るようになるでしょう。経験上そことやりあうのはイタチゴッコていうか時間の無駄だとわかったので、それで聴くやつは勝手にやってくれって感じです。そこまでして聴いてくれてありがとうな!とすら今は思います。金がない奴と金を払いたくない奴でも興味持ってくれる人にはそういうやり方もある、そういう時代だと思います。なので販売はしないですが、なんらかの方法でデータは手に入るんじゃないでしょうか。

  • 宣伝広告にお金を使わない

これは正直に言いますが、その予算がないのでやらないというかやれないです。今金があったらこのアルバムを一人でも多くの人に興味持ってもらうためにどうしたらいいかっていう時に費用対効果を考慮して宣伝広告にお金を使って露出を増やすなりやるべきことはあると思うんですが、ないので出来ません。金がなくても拡げる方法を考えながらやってます。あと前々から言ってますが、広告にお金を払ってのバーター取材みたいなのには本当にウンザリしてるのでそういう取材のオファーはやめて欲しいです本当に。本来の意味での取材自体はウェルカムですので、いつでも連絡ください。

  • 発売前のサンプル配布を行わない

これは結構ずっと前から思ってたことで。発売前の作品を聴いた人にコメントもらったりとかラジオとかで流してもらったりとか小売店のオーダー数のジャッジに使われたりなんらかのプロモーションのためとか他にもいろいろ業界的な事情でサンプル音源って出回ると思うんですが、最近はサンプル盤よりデータがメールで送られてきたりとかのが多いけど。今回の売り方だとこれも必要ないなと思ったのでやめました。友達とか世話になってる関係者の人達にいち早く作った作品を聴いてもらいたいっていう気持ちはもちろんあるんですが、それはプロモーションのためっていうよりはただ聴いてもらいたいっていうことだけだと思うんで、そういうのは発売されてからでいいかなと。普段自分の身銭を切ってライブに来てくれる人やCDとかレコードを買ってくれる人が誰よりも早く音楽に触れられるようにしたいなていう、そういう感じです。買ってくれる人が最初になるように。

最後に

  • MVを作らない

これはさっきの[宣伝広告にお金を使わない]と理由が重複しますが予算がないっていうのもあるし、初めて作品を聴くのがCDとかレコードを買ってくれた人が最初にそれを再生した時になるようにしたいので今回はMVなしでいこうと思います。最近インスタグラムとかで練習動画の断片をアップしたりしてるけど、宣伝の足しになればなと思いながらやってます。雰囲気だけでも伝わるかなと思って。いつもMVやってもらってるミノル君には「なんでやねん!」て前渋谷のAFTER HOURSで会った時に突っ込まれたけど笑、またいつかMV作る時はミノル君に頼みますから。今回ないだけです、すいません笑。


こんな感じで勢いよく書きましたが何か伝わりましたでしょうか。お前の通したいスジの話なんかええからはよ黙って発売しろやって思う人もいるかもしれませんが、そういうわけにいかないんですよね。こういったある種のウザさ、これがLOSTAGEの旨味っつうか、まだ続けてる理由であるからして。上記箇条書きの部分を当たり前のこととして普段からやってる人達っていうのはめちゃくちゃたくさんいると思うし、そういう人達を否定する気とかは全然ないし、むしろ自分も今までそうやってやってきたから。たまたまそういった細かいことが気になるような立場になってきたから一回スパッと割り切ってやってみようと思っただけで。これでやってみて不具合不都合があればその部分を今後修正して次に向かっていくのが自分たちにとっては前向きってことかなと。

誰かに喧嘩売ってるわけじゃないんで、ステレオタイプな業界人とか前時代的なシステムとかそういうのに。俺が叩き潰したいのは多分、無思考でバンドを続けてきた今までの自分で、それが出来たらもしかしたらそういう自分を見た周りの誰かの考え方とかが変化するきっかけになるかもなってちょっと思ってるくらいです。


今書いたものを読み返しただけでかなりの我儘さと面倒くささが爆発してますが、何とかこのハードルを乗り越えて届くべきところに届いてくれたらなと思います。新しいアルバム。このやり方はこれからどうやってLOSTAGEとTHROAT RECORDSを続けていくかの一つの基準になると思ってて、一回しか使えない役付きのカードかもしれないですけど。やらないでごちゃごちゃ言うよりは、やってから考えたほうが性に合ってるしな。



発売は来月の6/9の奈良ネバーランドのskillkillsとのツーマンライブに間に合えばいいなと思ってます、引き続きよろしくお願いします。